歌舞伎座には、幕見席というのがあります。やすいんですよ。一番高いところにあって、見にくい席でもありますが、気軽に見ることができます。
で、ちょっと前なんですが、演目をやってる最中に、その幕見でとなりに座ってた母娘連れが、あれは誰?とか、ああ成駒屋って福助さんのことなのね、とか喋りはじめた。
最初は我慢してたのですが、次第に我慢できなくなり、舞台が暗転したのを機に、やかましい、迷惑だから外でやりやがれ、と,啖呵を切った。
止まったんですけどね。いちおう。


で、終わった後に謝られたんですけど。
いや、謝ってほしかったんじゃねぇんだけど、といってもわかってもらえなかった。
そのあと、複数の人からよく言ったって、飴玉貰ったりとか握手とかされたんですが、てめえらなんでてめえがいわねぇ、なんですよ。個人的には。
ちょっと考えればわかることじゃないですか、開演中のお喋りがどれだけ迷惑か、とか。自分で判断できない人が多くなったのかもしれません。
そして嫌ならいやで、何故自分で言わないのか。当たり前のことだとおもうんですよ。好きならば。


好きの、切実さの問題かもしれません。
私は雑事を忘れて歌舞伎や音楽に集中しようとするタイプで、娯楽としてみてないのかもしれません。無粋なことで邪魔されるのがとてもイヤです。
つか、切実なんですよね。音楽とか聴くのや、歌舞伎を見たりすることとか。
麻薬が切れたときの麻薬患者の心境に似ているかもしれません。理屈でなくて。それを欲するということが。