来月読みたい本『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』

見えそうで見えないものが気になることがあります。以前住んでいた街ではたまにディーゼル機関車が駅構内で煙を吐きながら動いていて、でも赤い車体で覆われてて中身をうかがうことはできず、なのでなぜ煙を吐くのかが子供には理解できませんでした。それを見て「あれはどうやって動くのか」を訊いていて、神田の須田町にあった交通博物館に連れてってもらっています。そこにはSLがある程度分解され内部が公開されなぜ車両が動くのかのおおまかな説明があって、それをきっかけに内燃機関の研究者を志したとかなら美談なのですが、残念ながらそんなことはありません。

ただ大人になっても見えそうで見えないものを前にどうなってるのだろう?と気になってしまうことがあります。見えそうで見えないものといってもチラリズムのことではもちろんありません。ずっと追っている小説についてです。

ここ数年ずっと追いかけているラノベの『青春ブタ野郎シリーズ』(電撃文庫鴨志田一)は、作品の中で起きている現象(たとえば「プチデビル」では同じ日を何度も繰り返す)を淡々と描写しつつ、なぜそうなったかや解決法は見えそうで見えず、途中までもしくは最後まで明かされず、それが読む側の想像力をかきたてます。ときたま淡々とした描写から断片的に見えてくるものもあるものの、結果として見えそうで見えないものを追いかけて熱心にページをくくることになります。

総じて読後の満足感はいつも大ではあるものの、ここ何冊かに渡って(何をいってるかわからないと思うので詳細は実際に読んでいただくとして)ミニスカサンタがチラッチラッと出てきていて、もちろんミニスカサンタの正体は簡単で表面的な記述しかなく、そのミニスカサンタが本筋に関わっていそうで関わっていなさそうな状態が続いていました。過去形で書いたのは来月7月に新刊が出ることが確定していてそのミニスカサンタがタイトルロールであることが明らかになっていて、見えそうで見えなかった正体が描かれるものと思われます。

はてな今週のお題「読みたい本」を引っ張るとやはりその新刊で、出版社のHPの新刊予告の引用では若干波乱が予想でき、加えて前作「マイスチューデント」ではいくらかか不穏な終わり方をしていてかつミニスカサンタは主人公の梓川朔太にしか見えない状況で、どういう展開になるのか想像がつかずにいます。来月も忙しいのですが入手出来たら万障繰り合わせの上読書に充てる時間を無理やり作りもしくは捻り出し、熱心にページをくくることになるとは思うのですが。

さて、くだらないことを。

読みたいと思っていた本を手に入れ読んでいて、ふとしおりを挟もうとして適当なものが無く、しかたなく指をそこに挟んでおいたもののいつの間にかそれが外れてて「しまった」とは一瞬思うものの、さてどこまで読んだっけかな、と探してるとき、ちょっとした幸福感を感じたりします。そんなことないですかね。ないかもですが。