ワカサギの記憶

いつものようにくだらぬことを書きます。

子供のころは冬になるとたまにワカサギの南蛮漬けを食べていました。河口湖などでワカサギ釣りをやっているのを大人になって知ると、それらのワカサギがなんらかの事情で持ち込まれてそれが食卓に上がっていたのではないか?と想像がついてます。そしてある程度の量のワカサギを料理して保存するとしたら丸ごと素揚げして南蛮漬けにするのがたしかに妥当です。しかしそれが続くと飽きが来て・毎冬のこととなると飽きが来て「あ、またワカサギか…」となってしまっていました。なので(そんな義務があるかどうかは別として)ワカサギを食べる義務は子供のうちにもう一生分果たした!という思いがいまでも強く、居酒屋等の外食のメニューにあったとしても「なぜそんなものを再び食べねばならぬのだ」という意識が働いてたぶん20年以上食べた記憶もありませんし、当然買った記憶もありません。

話はいつものように横に素っ飛びます。

石狩鍋っぽいものを作る予定でこの週末いつもと違うお店の魚売り場へ行き、鮭を探していると、鯵の後ろになぜかワカサギがありました。気になったらしく「ワカサギにする?南蛮漬けとか」と念のために誘い水を向けると鍋に未練があるのか「いや、いい」と返ってきたので通り過ぎて鮭を買ってます。レジのあとで一生分のワカサギを食べる義務を既に果たしたと思ってることを経緯を含めて正直に告白すると、それでも食べてたワカサギの南蛮漬けにむしろ興味を持ったらしいものの、さっきはああいったけど刷り込まれた舌の記憶って強烈で申し訳ないけど作るつもりはあまりないと告げています。

とはいうものの。

丸ごと素揚げしたワカサギを南蛮漬けにしても内蔵の苦み残ってそれが子供心に好みではなかったのですが、大人になったいまならあの苦みもイケるかもそれに焼酎にあいそうだし、南蛮漬け以外のワカサギレシピもあるはず…などと、ひと晩過ぎたら少し揺らいでいます。でもワカサギだしなあ…と、ワカサギを見ちまってから昨日から思考が千々に乱れてるのですが。