地獄に至る質問(加筆あり)

何回か書いているのだけど、勤務先に一切女性に挨拶しない人が居て、その人は同性愛者かもしれないので気をつけて、というご注進を貰ったことがあります。念のため書いておくと私は同性が告白してきた少数の例外と気を許せる人を除いてセクシャリティに関しては誰にもいっていません(念のため書いておくと私は性的には少数派です)。好き勝手に噂するのを見て「めんどくせー」と痛感してて、より隠蔽の度合いは深くなっいます。

話がいつものように素っ飛びます。

プライバシーってなにか、っていったら典型例は「一般人の感覚として公開されたら不安を覚えそうな、私生活の事実(事実らしいと受け取られかねない場合を含む)など他人に知られたくない情報を秘密にする権利」です。わたしは秘密にしたいことがあるので、相当慎重に行動していますっててめえのことはともかく。

許諾があったとはいえ読売テレビの番組で行われていた性別がわからない人に対して恋人の有無やセクシュアリティについて公開の場で尋ねるという行為は誰に対してもやるべきではない性質のものです(プライバシーの観点からその質問をして困る人と困らない人がいるなら、困る人を考慮するのが妥当です)。この点、コメンテータが番組を批判したのもわかりますし、あとで読売テレビがプライバシーに関して声明を出したのも理解できます。

わたしのような多数派に属さないで同性の相手がいてセクシュアリティを隠し続けてる人間が、恋人の有無やセクシュアリティについて似たような質問を公開の場で受けた場合、自己の良心の呵責を横に置き嘘をついて否定できればいいのですがそれをやると相手が傷つき、かといって明確に答えないと、ずっと隠し続けてきたにもかかわらず事実上認めてしまったことと同じで、どっちへ行っても地獄に至る質問です。

報道の自由も理解できますし、放映した読売テレビには悪意がないと思いたいですが、公開の場の質問で少数派を痛めつけつつあぶりだす方法を今回の件は世の中に明らかにしちまいました。厄介なことをしてくれたな、とおもわないでもなかったり。