児童ポルノをめぐって6

児童ポルノ規制って云うのははじまりは、くりかえしますけど性的に搾取される可能性の高い子供を守るための法律でした。保護責任を負うべき者が保護すべき未成年を性的に搾取する、たとえば本人の意にそわないカタチで売春させるとかアダルトビデオに出演させるっていうことを防止するためのものです。しつこいようですが善良な性風俗を守るためのものが主眼ではなかったはずです。

で、社会の善良な多数派が「性的に理解できないもの」は排除してもいいという感覚を私はもたないんすけど、もつ人は世の中にいます。たぶんその人にとっては理解できないものは否定しても良いものという図式があるのでしょう。保守的なセックス観を持つ人の一部は自らが欲情する以外のものに積極的に理解を示そうとも思わないはずでその自らのセックス観を他人に強要するところがあると考えます。延長線上に今回の児童ポルノ規制改正議論、つまり児童ポルノっぽいアニメへの規制があるのではないかと思っています。普通なセックス観を持つ人からすれば小児性愛なんて「性的に理解しにくいもの」でそのアニメやマンガの表現すら否定すべき、なんてところだと思うのです。そもそも子供を持つ親からすれば小児性愛者は感覚的に近寄って欲しくない敵でしょうし、多数の人は子供の裸に欲情しないからそのセックス観は理解しがたいと思う。でもあえてくりかえしますが「子供に性的な欲望を覚える人間」のセックス観が悪いのではなく、性的衝動とむきあって自制せずに「子供に性的な欲望を覚えて実行に移す人間」がまずいし危険なんすよ。
それに欲情する対象によって、否定しなきゃならないものとそうじゃないものがあるってのは冷静に考えると不思議だとは思うのです。青年のきれいな裸体や20代OLの巨乳に発情するのは許されても男子中学生の鎖骨になんで反応したらまずいのかっていう根源的な理由は説明できないはず。多数派から見た理解しがたいセックス観や萌えポインツを人権の侵害ない状態で表現するだけで法的にアウチにしようっていうのは思想統制に近い危険なことと考えます。そういう考え方がこの国はすーっとでてくるのが非常に怖いです。
もちろん小児性愛の性表現は道徳的にどうよ?って云われたら正直反論しにくいですけど。


余談ですが私にも保守的な部分があります。対象ではありませんけど「性的に理解できないもの」があるからです。エロ表現で完全に理解できるものは少ないし、なんでそれに惹かれるのかとかうっすら想像できるものはないわけではないのだけど、鬼畜とか陵辱というものについては正直かなり抵抗があります。精神的な鬼畜もの、例えば弱みにつけ込んで追いつめたりとか、明らかに子供が大人に陵辱されたりする表現です。たぶん私の内心での道徳的にどうよ?っていう反発でしょう。反道徳的なセックス表現を好む人が居てもおかしくないし、エロを道徳で批判しても仕方ないかなーと思うし、それが妄想にとどまるのなら自由だとわかりつつ、内心ではどこか規制すべきなんじゃ?とはうっすら思います。しかし、その規制すべきって言うのは私の皮膚感覚に近くて、なんでいけないのかって言う具体的根拠はおもいつかないっす。

本屋で成人男性向けコミックやBLものの単行本で裸のエロ系イラスト表紙なんかを昨夜見て、こんなん良いのかなー?善良な性風俗ってなんだろう、とおもいつつも、けどそれが規制される世の中よりましなのかも、なんて考えたのですけど。