児童ポルノ雑感4

侮蔑表現問題ってのがあります。アメリカの話ですけど、黒人差別的侮蔑表現を蔓延させたら直接侮蔑の対象となった黒人のみならず広く黒人一般を蔑視する環境につながりはしないか、っていう考え方です。実はこれがポルノ規制にも関係していて、女性が性的な尊厳を傷つけられてるようなそんな表現がポルノとして蔓延したら無意識のうちに性における男性至上主義や女性蔑視が形成され女性差別を一層固定化させるのでは?っていう問題提起がありました。こういう考え方がアメリカでは性的表現に法的規制をっていう主張の、バックボーンになってた記憶があります。正直、ちょっと傾聴に値するんじゃないか、などと思ってました。
で、児童ポルノや実写で無い性的虐待が無いアニメ等創作物の規制に関しての児童ポルノの問題も上にあげた事例で黒人・女性というのを子供に置きかえると、なるほど規制したくなるのがうっすらわかるのです。児童ポルノの蔓延は子供の性的尊厳って云うのを否定しかねないかもしれません。もし子供を無意識のうちに性的に搾取してもいいなどという考え方が蔓延したらまずいってのはわかります。まったく影響がないとは言い切れないと思うのです。


ただ、現行の児童ポルノ規制の法律で所持禁止まで罰するってとこまで踏み込むのはどうよってのは変わりません。
繰り返しになりますが児童ポルノのわいせつ画像を公衆が閲覧できる状態に故意に置いたことは責められるべきと思うのですが、取得した画像をまた故意に広めないかぎりさらなる人権侵害は起きないと思うし、罪に問えるほどのことか、っていうとそうではないと思うからです。
児童ポルノの画像取得を罰するならばむしろ撮られたほうからするとやはり人権侵害が起きてるともいえる不本意な盗撮画像対象にも同じ規制をかけるべきでしょう。差をつける意味が判らなかったりします。


未成年に対する淫行は非道徳的でどちらかというと社会的に許容されない行為です。それを喚起するようなシロモノはアニメであっても存在自体がある種の危険物でしょう。しかしながら、喚起するようなシロモノを製作してそれを閲覧する行為は、その非道徳的行為を現に実行するのとは別の次元の話です。その行為を教唆したわけでもありません。非道徳的行為を描いた表現、例えば本屋にいけば腐女子の皆様方がごらん遊ばされている本の中にはなぜか裸の学生いて「そう・・・そのまま飲みこんで?僕のエクスカリバー」とか「何が欲しいのいってごらん?」とかの台詞がつきかねない非道徳的シチュエイションもありますけど、描かれた内容が非道徳的行為であってもだれも被害をこうむってはいません。悪影響がどこにあるかといえば強いて言えばそんなものを沢山読んだ腐女子の皆様方が何気に腐女子であることがばれて「きんもー」といわれるか、学生のゲイに対して「あなた方は私たちにとって萌えの対象ですぅ」という消極的告白をして失笑を買うか、ぐらいでしょう。
実際、表現の自由に関しては具体的に他者の人権等を侵害するか近い将来実質的害悪が起こり易い事態にならない限り規制されるべきでないっていうのが現在のこの国のスタンスです。ユニセフ公明党が目指してるアニメ等の規制に関してはそれに反してきちまうのと、「そう・・・そのまま飲みこんで?僕のエクスカリバー」などという台詞がでてくる子供がでてくるポルノアニメが蔓延したらおおまかなくくりでの「子供」に対する性的扱いが極めて尊厳の無いものになる可能性が無いとはいえないと思うものの、アニメやマンガに関して云えば実のところ「妄想を表現するな」って云ってるのに等しいのかなとおもうので私はどこか滑稽な感じがするのです。究極的には表現の自由は「妄想はご自由に」であるべきで他人に害を与えない限りという留保はつきますが「暴走はおひとりで」の範囲でというスタンスでとどまってるならば、それは規制すべきものではないのではないか、とおもうんすけどね。それとも想像を絶する世界があるのだろうか。私は秋葉原に詳しくなくって、アニメやマンガに詳しくないからなんともいえないのですが。