お好み焼きにおける「お好み」の問題

昨日の夜、べったら市の露店に広島風お好み焼き屋があって、なんだか食べたくなって卵抜きで注文したら、
「お兄さん、広島?」
と、おばちゃんがキャベツのっけながらニコニコと訊く。
「え、東京ですよ?何でですか?」
「卵抜きなんて、めったに注文する人いないよー東京の人でー」
「えーだってお好み焼きじゃないっすか」
原則、キャベツとかの野菜ベースに豚肉、麺、牡蠣、イカ天、卵、餅などはすきずきでトッピングするのが普通(だからお好み焼きというはず)です。露店でトッピングは難しかろうと思ったので、逆に玉ぬきを頼んだのです。そのことを伝えると
「あのね、実はね、卵抜きやるとケチってるんじゃないかと思われて評判悪いのよ、だからみんな卵入れるの。わかってないんだよね、そういうのがあるって。あらかた入ってないと文句を言うよ、東京の人。けど不思議と味では文句言わない」
「ああ、損した気分になるのかな」
「たまにね、お兄さんみたいに注文つける人いると、お!とおもうのね。広島の人なんかな、とおもうのね。で、味にはうるさいから」
「ははは」
東京人が必ずしも味音痴ではないと思うしけちくさくない人もいると思うのだけど、なんとなくおばちゃんのいいたいニュアンスが判る気がしてさして反論しませんでした。やはりこういうときはそういうのはいいっこなしです。どうでもいいような話をしながら久しぶりに作ってるところを見てお好み焼きを食べたんですけど、なんだか食べ物が温かくてなおかつ会話がある食事というのは、無条件に美味しいと感じます。オタフクソースの味がちょっと懐かしかったです。気持ちの問題かもだけど。
値段は500円でしたけど、衝動買いにしては安い買い物したかな、とおもったり。衝動買いなんて滅多にしないんですが。