卵嫌いが茶わん蒸しを喰うのにちょうどいい店

茶わん蒸しという卵料理があります。最初にそれを知ったのは小学生くらいのはずです。数日前にも書きましたが卵が苦手です。したがって卵をつかってるというのを知って全力で避けてきました。なので長いこと茶わん蒸しが汁ものなのかおかずなのかデザートなのか(付随してスプーンで喰うのは昔からなのか)、熱いうちに食べなければならぬのか、冷めても食べていいものなのか、混ぜて食べるべきなのかそれはマナー違反なのか、正直わかりませんでした。もちろんいまでも正確に理解しているわけではなく、しかし個人的にあれはどうみてもデザートとは思えないのですがって、それはともかく。法事のときなどの選択肢のない料理のひとつとしてでてきたときには一瞥してから手を付けないことがけっこうあって、要らないの?じゃ、もらうね?という相手が居たら「どうぞどうぞ」と押し付けて生きた時間が長いです。
しかし卵だろうとなんであろうと食べれないからといってそれを放置して甘やかすのはこいつのためにならぬという相手がいると、オムライス同様人はちょっとずつ変わります。記憶に間違えなければ神田の蕎麦屋で「喰えなかったら残りを喰うから」という状況下で食べて茶わん蒸し童貞を失ってます。正確に書くとおだまき蒸しといい、おだまきというのは本来糸を玉にしたもののはずですが、料理としては穴子、銀杏、海老などにうどん入りの比較的でかい茶わん蒸しです。なぜうどん料理が蕎麦屋にあるのか謎といえば謎なんすがそれはともかく、東京のそばつゆ風味なので卵が入ってても喰えないことはなく、その蕎麦屋で食べてからは茶わん蒸しも「わるくないなー」と思えるようになりました。あとからわかったことですが茶わん蒸しはだしをけっこう入れるのでそれほど卵の味がしないので、卵嫌いに卵を喰わせるのはうってつけの食材だったはずです。いまでもほぼ茶わんむしは自らチョイスしませんが、選択肢のない会食などでついでに出てきたものであれば食うようになりました。もっとも、どれがよかったとか茶わん蒸しを語れるほど経験はそれほどないものの、神田のそば屋のおだまき蒸しより美味しいものに出会ったことはありません。ファーストキスでも童貞を失うときでもなんでも初体験のときというのは記憶に残るものですが、もしかしたらそれと同じかもしれないのですけど。
「#○○にちょうどいいお店」をひっぱると「卵嫌いが茶わん蒸しを喰うのにちょうどいい店」として、神田淡路町のやぶそばを推します。この酷暑の中茶わん蒸しを喰おうと思う人などいないでしょうし、そもそも「卵嫌いが茶わん蒸しを喰うのにちょうどいい店」という設定もかなり万人受けしないかもしれませんが。
ついでに書いておくと神田のやぶそばにおいてはおだまき蒸しは刺身湯葉小田原蒲鉾同様に酒菜のひとつでビールも頼めます。そばつゆをたくさんつけないほうが良いですが、そばも美味しい店です。