『スキップとローファー』3話まで視聴して

たぶん何度か書いてると思うのですが「附子」という狂言があって、主から毒ゆえに近づくなと云われつつ覗き込む→気になって舐め→なぜなめたかということの理由を無理矢理考え出さねばならなくなる→茶碗と掛け軸を割って「(大事なものを壊したので)死んで詫びようと思った!でも死ねなかった」ということにしようとし、そこに主が帰宅してさあどうなる…というのが話の筋でした。どうなったかは狂言をご覧いただくとして、附子に引き込まれた後遺症として「え、どうなるの?」という話をみると引きこまれることがないわけではありません。

夜に東京ローカルのMXはアニメを流してて、最近『スキップとローファー』(原作・高松美咲)という作品の偶然1話を視聴しています。1話では奥能登から出て来た岩倉さんが入学式の日に首都圏の駅で迷っているところをサボろうとしたの志摩くんが助けるところから物語がはじまりました。いくばくかのネタバレをお許しいただきたいのですが、岩倉さんは首席で全校生徒の前で新入生代表として答辞を役を引き受けたにもかかわらず、ペーパーを忘れてしまったことに壇上にあがったあとに気が付きます。そのとき岩倉さんがどうしたか?そのあとどうなったか?は是非アニメか原作にあたっていただきたいのですが、つい最後まで見入ってしまっています。

もう幾ばくかのネタバレをお許しいただきたいのですが、3話ではクラスメイトと渋谷へ映画を見に行くものの、人見知りでチャラいのが苦手で内向的な久留米さんと端正な顔立ちの美少女ではっきりした性格の村重さんとの間に岩倉さんは座り微妙な空気に包まれてしまい、なんとかしようとします。岩倉さんがどうしたかや久留米さんと村重さんがどうなったかは是非アニメか原作にあたっていただきたいのですが、やはり最後まで見入ってしまっています。

奇をてらった物語ではいまのところありませんし、もちろん異世界に飛ぶわけでもありません。ただ、岩倉さんは奥能登出身で同世代との触れ合いが無かったゆえに(たとえばほっぽっとけばいいのに村重さんと久留米さんの微妙な空気に責任を感じてしまう程度に)めんどくさそうで、志摩くんも岩倉さんに見せる部分では素直ですが入学式をサボろうとする程度に根は斜に構えてめんどくさそうで、久留米さんはおのれに自信が無いゆえにめんどくさそうで、村重さんは他人をあまり信用して無いゆえにめんどくさそうで、というようにめんどくさそうな人の集まりで巧くゆく予測があまりつかず、ゆえに物語として視ていて飽きません。正確に書くとフィクションとわかってるのに附子的に「え?どうなるの」的にハラハラしてしまうところがあります。加えて、それぞれ架空の人物ではあるものの、久留米さん要素が何割かある人とか志摩くん要素が何割かある人というのは高校生に限らず大人でもいるはずで、ゆえに妙にいくばくかのリアリティがあるのです。たぶん最終話まで視聴してしまうかもなんすが、この作品を知り得たことがなんだか零れ幸いであったり。

アニメとかマンガに詳しくないしレビューとか感想の書き方などにも詳しくないのでこのへんで。