スキップとローファー10話までを視聴して

夜に東京ローカルのMXはアニメを流してて、ここのところ『スキップとローファー』(原作・高松美咲)という作品を視聴しています。1話では奥能登から出て来た岩倉さんが入学式の日に(おそらく吉祥寺)駅で迷っているところをサボろうとした志摩くんが助けるところから物語がはじまり、岩倉さんは首席で全校生徒の前で新入生代表として答辞を役を引き受けたにもかかわらずペーパーを忘れてしまったことに壇上にあがったあとに気が付きます。そのとき岩倉さんがどうしたか?そのあとどうなったか?は是非アニメか原作にあたっていただきたいのですが、つい最後まで見入ってしまっています。ただ(おっさんの恥じらう姿など誰も見たいと思わぬはずですが)恥ずかしながら放映終了の夜11時半まで起きてるのがしんどくて、ここのところは録画したものを視ています。

話数を重ねるごとに理解できてきたのですが、岩倉さんは裏表があまりありません。8話では志摩くんと上野動物園に行きそこでパンダのキーホルダー2個入りを買い、「2個入りのお得なやつだから」という理由でひとつは志摩くんに渡します。岩倉さんの述べた理由に噓偽りはなく、しかしそれらを第三者から眺めると「どういう意味を持つか」とか空気を読んでしまう余地は志摩くんにはあって、しかし志摩くんがどうしたのかは8話のキモだと思うので是非原作かアニメをご覧いただきたいのですが、8話ではその裏表のない岩倉さんのあるひとことをきっかけに志摩くんは躊躇していたことについて小さな心変わりをします。岩倉さんの影響による志摩くんのその小さな変化は、人には可塑性があると思ってるほうからすると、「なんか良いな」と思わされています。

もう幾ばくかのネタバレをお許しいただきたいのですが、10話ではクラス全体が文化祭の演劇の準備に動き出す中で、岩倉さんは自らに起因することでわりと凹むことが起こります。それを傍から見ていた志摩くんは岩倉さんに付き添うのですが、演じる作品を語りつつ、歌を歌わせ、引っ張りあげます。それがとても微笑ましく感じると同時に、現実からちょっと目をそらし→耳を使わせ身体を動かさせ他のことに集中させ→立ち直らせるというプロセスが理にかなってて見事で、そして岩倉さんは決して歌は巧くないのですが「良いものを視た」感があって唸らされています。でもって、1話では学校をサボろうとする程度にどこか斜に構えた感じのあった志摩くんが10話で好青年に変身したのを眺めてて「ああそうか、主人公は岩倉さんだけどヒロインは志摩くんなのか」といまさらながらに気が付きました。

最新話をまだ追えておらず、そして空気を読むことを筆頭に語りたいことがないわけではないのですが、それは横に置いておくとして、あともうちょっとで終わるのがちょっと惜しかったり。アニメの感想の書き方がよくわからないのでこのへんで。