「今朝の『タン・ニェン』を読みましたか」
「いや、読んでいません」
「ひどいもんです。ひどいにもほどがある。ナンバー・テン。兵隊に言わせればナンバー・テンです」
「兵隊ならナンバー・テンではなくて、ナンバ・テン。またはナンバ・テン・タウ(Nnber Ten Thau(sand))」
開高さんの小説の一部を引用したのですが、英語のナンバ・テンという表現がでてきます。ひどいとか最悪という意味合いなのですが、それがなぜナンバ・テンなのか、小説内でははっきりしません。ベトナムに居た米軍由来のスラングだと思われ、最高という意味合いでのナンバー・ワンの対比なのかもしれぬものの、正解はわかりません。話が厄介になるのですが(どちらかというと子供向けの)米国のスラングにはナンバー・ワンとナンバー・ツーがあって、それぞれ小と大です。身体から出る順番といえばお察しいただけると思うのですが、その用法を知ると○○ッタレという腹の奥底から出てくるような罵倒語が浮かぶのですけど、それらと上記のナンバ・テンとの関係はやはりわかりません。いつかナンバ・テンについてどこかしかるべきところで訊いてみたいと考えています。でもくだらなすぎて、どこで訊くかが問題です。
くだらぬことをもうちょっと書きます。
今冬「その着せ替え人形は恋をする(My Dress-up Darling)」というアニメを視聴していました。喜多川さんという女子高生がヒロインなのですが、いわゆる今どきの女の子の言葉を使います。たとえば「ヤバい」「鬼ヤバい」「ガチのマジでヤバい」などスラングっぽい言葉です。これ、どうやって訳してるのだろうとしらべたら「It’s insane」「mega insane」「It’s super-duper insane」と(ニュアンスを過不足なく)訳してて、(ガチのマジで)唸らされています。
なのですが、御推察の通り仮に英語がいまより使えるようになったとしてもいまのところ興味がスラングのほうへ向いていて、多様な世界への扉を開くかもしれぬとうたうスポンサーの崇高な意には添えそうになかったり。それじゃダメじゃん。ナンバ・テンです。
でもスラングって知ると興味深くてついあれこれ考えちまうってことありませんかね。ないかもしれませんが。