お茶の水

前にも書いたはずなんすが私はピンボケの世界にいたのですが、子供の頃にお茶の水の病院でメガネを作ってもらってはじめてクリアな視界を手に入れました。

外に出て晴天の下、クリアな視界で(鐘がなってるのを耳にしてたのでずっと気になっていた)ニコライ堂をまじまじとみています。私にとってお茶の水が・ニコライ堂が、クリアな世界のはじまりであったりします。
クリアな視界を手に入れたあとも眼科に通わざるを得なくて、そのための通院を大学を卒業するまで続けます。もちろんクリアな視界を手に入れてますから病院だけで済ますわけがありません。ちょっとした冒険もしてて、森永ラブというハンバーガー屋にひとりではじめて入ってコーヒーを飲んでカッコつけてたのもお茶の水です。絵を描いていた時期にはお茶の水駅そばのレモン画翠という画材屋に出入りしていましたし、高校生のときは駿台模試を受けに来たこともありますし、その帰りに文坂を下ってちょっとだけえっちなマンガを買ったのは隣の神保町です。大学生のときには授業で読んでおいたほうが良いとされたものが図書館になくバイト先が神保町に近かったのを奇貨として日を変えて神保町の三軒の本屋によって読んで頭の中に叩き込んでましたし、社会人になってからも大学生時代お世話になった三軒の本屋にお金を落とすために寄ったり中古CD屋の存在を教えてもらってからは海賊版のCDを探しにきてました。
はてな今週のお題が「好きな街」なんすが咄嗟に思い浮かぶのは東京だったらお茶の水から神保町にかけてです。お茶の水や神保町が「どうして好きか?」というと実は説明に困ります。バンビを筆頭に安めでうまい店があるとか、ファッショナブルな街ではありませんから肩の力が抜けてて気楽である、というのはあります。でもって星の王子様の中に

It is the time you have wasted for your rose that makes your rose so important

ってセリフがあったりします。つたないながら訳せば「きみのバラをかけがいのないものにしたのはきみがバラのために費やした時間だったんだ」っていう意味合いになるはずです。これを借りて無理矢理こじつければ、お茶の水や神保町で費やした時間が濃いのでおのれにとってかけがえのない場所であり、「好きな街」に感じられるのかもしれません。通院はまぶたの裏の結石をとるためで麻酔がきれるとちょっと痛かったので病院行くのが憂鬱であったりとか、けっして楽しかったことばかりではなかったのですけども。