増上寺の畳替え

増上寺ごしの東京タワー。

ウソかホントかわからぬもののなかでわりと世の中で出回ってるのが忠臣蔵に出てくる増上寺の畳替えの話です。増上寺での勅使の休息場所の畳について吉良上野介は取り替える必要性については不要といっていたものの、饗応役の赤穂の浅野の家臣が別の大名の持ち場に行くとそこの畳はきれいに取り替えてあり、あわてて給金をはずんで職人を呼び寄せて浅野家の担当分も取り替えた、というエピソードです。浅野内匠頭はそこらへんを含めて吉良上野介に対して頭にきた設定になってますがなぜ教えなかったのか?は謎ではあります。賄賂を贈らなかったからほんとのことを教えなかったとか、恥をかかすため、とか諸説ありますが、はじめて知ったのは10代の頃で、このエピソードはけっこう強烈な印象で、知識を持つ人というのは知識を持たない人を軽く扱う、意地悪をすることもあるのだな、というのを悟った記憶があります。なるべくそういう人間にはなりたくないなあ…ってのはあるんすけどもてめえの話はともかく、たしかにおとなになってみると、そういうこともある・垣間見たりすることがあり、世の中には知識はあっても吉良上野介みたいのはいないわけではなく忠臣蔵というのはその点で身近であって古びてないのかもなあ、と。
増上寺の畳の話はほんとのところはフィクションらしいのですけど、フィクションほど人を浮き上がらせ・人をとらえて離さないってことないですかね、ないかもですが。