国分寺崖線

どれほどの人が見てるかは判らないのと、もしかしたら東京以外の人が多いのではないか、と考えて説明が長くなりますが、東京の多摩のほうに国分寺市というところがあります。東京から中央線に乗って40分くらいかなあ。かなり緑の濃いところです。

そこにあるのが日立の中央研究所です。茨城の日立市にあるのは発電や材料系ですが国分寺にあるのは半導体や通信の研究施設で、その技術をこっそり盗みに来た

というわけではなく、敷地の開放日だったので見学しました。

雑木林というか木が生い茂ってるので崖の上から下を撮ってもなにがなんだかわかんない・ほんとどってことないのですが、古多摩川という氷河期の頃の河川が作った国分寺崖線という標高差10mくらいの崖が多摩にはあります。「はけ」ともいいます。アスファルト舗装の急坂な道路になってるところがあって、そこを自転車で登れるかとかバカなことをしたことがあるんすが、そんなことはともかく日立中央研の敷地のはけから

湧水がでています。

木の根っこの下のほうからでてるんすが、わかりますかね。雨水を通しやすい関東ローム層(火山灰由来の土)の下に砂礫(武蔵野礫層・おそらく古多摩川の名残)があり、砂礫の下は水を通しにくい粘土層になってて(木の根はおそらく砂礫層と粘土層には達してないかも)そのため武蔵野礫層に水が蓄えられ、「はけ」の関東ローム層のないところから水が噴出してます。

春ではないのですがさらさらと小川になって流れて

他の湧水とともに池に流れ込みます(ただしこれは昭和の時代に作ったものらしい)。向こう側が台地というかはけがあるんすが、やはり雑木林なのでちょっとわかりにくいかも。この場所はもともと昭和恐慌のときに破たんした銀行家の別荘だったところを日立が買い取り、以降それほど手を加えられずに生き延びています。

池から門を経て野川という河川に流れ込み、下流の世田谷区で多摩川と合流します。

足の下の流れについ見入っちまったり。

多摩は充分色づいてきました。