ないものねだり

ラブホテルでえろいビデオが流れることがあったりします。そういう場所なんすから、別におかしな話ではありません。あたりまえといえばあたりまえなんすが、そういうところで流れてるのが片方は女性だったりします。女性だとたいてい乳房があります。暗めの照明の中で、女性が相手のビデオを座ってみてたりするとかすかにしんどいな、と思ったりします。そもそもヒロスエが好きってことも知ってますから、なおのことです。しんどいという表現があってるかどうかはわかりません。ビデオの中の女性の乳房はちょうどブラジャーから解放されたところで、いくらかボリュームがあって触ればそこそこやわらかいでしょう。おれにはないものです。それに比べて自分の胸の貧弱なこと。見ても面白くないし、平坦で、柔らかくもありません。食い入るようではなくてもそのビデオをみてたのはやはりどこか柔らかい胸は好きなのかもしれなくて、比べてもしょうがないのだけどなんだかどこかくやしかったので、つかつかと相手の前に行ってビデオを消して、そこで自分でタオルを捨てて、ソファに腰かけてる相手の前に行き、どこか嬉しそうな相手にキスをねだりました。キスをねだって相手の胸をほのかにいじり、しばらくしてから相手の手を自分の胸に持ってゆきます。いつの頃からかそこがひどく弱くなってて、胸に口づけられて舌で触られるのも好きで、それ以外のこともそのうち期待して、熱くなってた下半身を相手に判るように押し付けました。


移動しよ、と言われてソファから移動しながら、ないことからくる劣等感を感じる必要なんかないのかもなんだけど、つい「ごめん」ってな言葉がでちまいました。え?という言葉の後に、別にダイジョウブだよ耳打ちされたんすが、なにが「ごめん」なのかは伝えそこねちまったんすけども。