快感の記憶

何回か書いてることなんすが。
男のひとのそこ、というのはものを挿入するための器官ではなかったりします(いみがわからない良い子のみんなはいみがわからないままのほうがいいです)。じゃあまったく入れられないか、というとそんなことはありません。でもなにもしないと痛いです。痛くないようにするためには徐々に拡げてゆくしかありません。もしくは、そこをつかわないでおく、という選択肢もあります。でもその選択肢、柔らかい肉が挿入した部分全体をそれとなく刺激する快感を知っているとなかなか難しいものがあります。さらにいえば触感質感フィット感のほか(前立腺をはじめとしてなぜ神様がそこを刺激すると名状しがたい声が出てしまうような機能をもたせたのか謎なんすが)そこに挿入されたときの刺激を知ってしまうとつかわない選択肢というのは、若干のもったいない感があったりします。なにがもったいないのか、いまいち説明はできませんが。
でもってあたりまえのことなんすけど「痛いの嫌だなあ」ってのはありました。それを解決する手段として、いまから十数年くらい前まではあったのがラッシュというドラッグです。筋肉を緩める効果がある、ってことだったんすが。それなりに遊んでいた時期があって好奇心もあって誘われてラッシュを吸ったことがあります。鼻の片方を押さえてもう片方の穴から吸引するのですが、吸うと興奮し、息が若干荒くなり、身体が敏感になります。中指のやわらかいところで降れるか触れないかのタッチでわき腹を上から下へさーっとやるだけで、微弱な電気がはしったようになります。胸の突起を舌で転がされると声がもれちまいます。筋肉が緩くなるというよりも記憶してるのはそこらへんの快感の記憶です。ただし効果はそれほど長続きしません。でも、相手が拙くても無条件で吸えば快感がやってくる、というとても夢のようなものでした。前にも書いたのですが夢のようなものなのにあんまりつかいませんでした。ほんとのところは謎なんすが(でも野郎としては恐怖なんすけど)それをつかうと男として大事な部分が役に立たなくなる、というのが伝聞であったからです。きんたまはともかく、肝っ玉が小さいのです、おれ。
念のため書いておくと当時はまったく違法ではなかったんすが。いつのころからか規制がかかるようになり、いまでいうと危険ドラッグに分類されています。ほんとに危険なのかってのは正直判りません。いや、そんなことないか。十数年前に吸っただけでもいまでも「夢のような」って書いてるんすから厄介なものなのかもしれません。欲しい?といわれると、堅くなってるそこを指で弾いたり・弾かれたりってのがきらいではなく、できなくなったらつまんないな、っていう幼稚なところから「いらない」っていえるんすが。
なんでこんなことをまたつらつらと書いてるかというと、放送関係でラッシュを持っていた人が居て逮捕された、ってのを民放のテレビで知って、あああの快感を手離すことができない人がやはり居たんだなあ・えっちなことをするときに快感はより欲しいってのは手に取るようにわかるのでダメって判ってても手を出しちまったんだろうなあととっさに考えて、同情的になってるのに気がついて、うむ、いちどでも経験しちまうと正常な判断ができなくなってるんだから危険なドラッグなのかもな、といまさらながらに気がついたのですが。