アイスランドの話

アイスランド政権交代が起き、同性愛者であることを公表してる政治家がアイスランドのトップになった、ってことがニュースになったりしたのですが引っかかった点があります。


アイスランドという国は金融を経済の主軸に据えてました。大きな資産があった訳ではないアイスランドの銀行が少ない自己資産と巨額の借り入れ金をもとにさらに投資活動をやってたのですがそこに「リーマンショック」がきたわけっす。信用収縮が起きてからは巨額の借入金の返済も滞るようになりました。たとえば去年、アイスランドの銀行が日本円で発行した債券の債務不履行が発生しました。その銀行はアイスランド政府が国有化したのですが、国のバックアップがあっても債務不履行回避ができなかったわけですっていうか、アイスランドという国自体に返済にまわすの資金も返済のための新たな借り入れ能力もなかったからでは、といわれてます(ちなみに日本だと長銀が破綻したとき国有化したわけですが、長銀が発行してた債券→ワリチョーとかの利払い停止や償還停止って言うのは意地でも回避してました)。
金融立国を標榜しながら銀行すら支えきれなかった国≒アイスランドに対して誰も信用して資金を提供しにくいっていう状態に現時点ではあるわけっす。そんないま、とわれなきゃいけないのって、にっちもさっちもいかないアイスランド経済をどうするか、なんすよ。たてなおし自体は容易なことではなくて人口30万の小国に身の丈以上の巨額な債務がのしかかってるのですが(円建て債券の債務不履行がある以上日本は当事者なんすけど)アイスランドをどうやって立て直すかっていう、かの国の政治家の言葉をもっと伝えなきゃいけないはずなんです。ニュースとしては最初に来るべきは国際通貨基金IMF)が示す経済再生策に基づく政策を採る方針とかの経済政策、金融政策の行方なんすよ。
でもどうして経済政策・金融政策が二の次で同性愛者であるという政治家の属性がまず話題になるんだろう。この国は傍から見て「同性愛者」と判断された場合それが最大の価値があることなんだろか、なんてことをちょっと考えてました。やはり希少性のある珍獣扱いなんかなあ。カミングアウトってことはぜんぜん考えてないのですけど、なんとなく暗澹としたのですが。
それとも私の意識がずれてるのか。