道路特定財源の話2

たまには硬派なことを。

揮発油(ガソリン)税などの暫定税率が3月末で期限切れになることを受けて、斎藤弘山形県知事は31日、県予算の道路だけでなく農林関係などを含む公共工事関連の投資的経費について執行を一部保留する方針を明らかにした。また道路事業の優先順位についての検討も進めている。道路事業を行うために、08年度予算の投資的経費のうち、公共工事にかかわる部分の委託、工事請負や公有財産購入などの約500億円分について執行を50%までに一時保留する。今後の推移で、財源が確保できない場合には、事業の一部の凍結も視野に入れている。最近5年間では、5月末までの契約率は平均約26%、9月末では同約7割という。このため、暫定税率問題が長期化しなければ、「影響は軽微」にとどまると見ている。08年度の道路予算は518億円を計上。県の試算では、暫定税率の廃止で、最悪の場合、305億円減少することになり、約200億円程度の事業しか行えなくなる。
このため、県では、道路事業の優先順位をつける検討を始めている。まず、継続事業で既に行うことが決まっている約20億円分の事業を最優先する。次に除雪経費を含めた道路の維持管理事業100億円分を確保する。その上で国の直轄事業への負担金の確保を行うという方針で検討を進めている。このため、長期化すると新規事業の圧縮や農林分野などの公共事業の見直しも避けられなくなりそうだ。(後略)
4月1日付毎日jpより転載

私は車に乗らない人間なのでガソリンが25円下がるとどれくらいのインパクトがあるのか正直わかりません。神戸や毎日をみるとけっこう大きな扱いなんでそっかー大事件なんだー、というのは判りました。で、いままで25円余計にとってたのは何に使ってたかっていうと道路建設や踏み切りの高架化工事とか、災害で損壊した道路の補修に支出してきました。その部分の金が今日を境になくなったことになります。山形県ではこのままいくと305億円分足りません。で、山形に限らず深刻なのは雪国です。除雪費用は道路特定財源からもでてます。道路特定財源が欠けたからって雪かきをしないわけにはいかないわけで、山形の場合優先的に予算を振ったようですが、雪かき以外の公共工事はこの状況が長く続けばたぶん影響がでるのかもしれません。さらに予想以上に雪かき代がかさめばさらに他に影響する可能性もあるわけで、既に税収不足は確定的なので記録的豪雪にならないことを祈ります。


政府の方針としては今後再度ガソリン税関係の法案をとうして元の税率に戻すつもりのようです。そのときには使途を道路に特定しない一般財源としてらしい。
でもよく考えて欲しいのですけど、(前の繰り返しですが)「自動車をつかう人」と言う特定の人に25円負担させてもいいのですけど、今まではそれは道路整備のためだから納得して負担してきたのです。例えが適切かどうか判りませんが、今まではオプションでケーキを食べたい人だけケーキにかける負担を増やしてそのかわり優先的にケーキを食べたい人のためにケーキをいままで大量に作ってきたのだけど、これからはケーキが食べたい人がこつこつ負担してきたお金でもってみんなでケーキだけじゃなくお子様定食やカレーライスをみんなで食べようっていうことなのです。ケーキを食べるためにこつこつ溜めた小銭の沢山ある財布といままで生活費を出してたすっからかんの財布を一緒にしてみんなの食事代を払う議論なのです。
一般財源となるなら誰もがほんと公平に「1リットル当たり25円の負担」を負うべきなんですけど車を使う人だけが負う、というこの不平等はちとおかしいのです。医療とか教育とか福祉につかうならいいやん、っていうのも説得力ありません。なぜ自動車を使う人だけが(本則の倍という)余計な税金を払って、余計な税金を払わない人がなんでその受益を受け取れるのかってことが説明できない。法の下の平等っていう前提から逸脱してるので、かなりおかしいと思うのですけれど。


民主党の思惑どうり、今日からガソリンは下がりました。
民主党暫定税率をこのままないままにして一般財源から道路を、という主張です。歳入が減った分をどうやって補填するかっていうのを明確にしてないし、どうみても混乱するのが必然です。このまま推移したとして地方で減る税収分、具体的には山形で減る可能性のある305億をどうするのか?アナウンスすべき時期が来てるとおもうのですが、神戸も毎日も載ってませんでした。ガソリンを下げて何をしたいのかがまったくわかりません。山深い不便な地方を苛めるつもりなんすかね。


私は政治は詳しくありません。ですからこの先どうなるのかわかりません。車も持ってません。
けど、なんかどこかおかしい、とおもえてならないっす。