「花のもとにて」堀田あけみ

花のもとにて (角川文庫)

花のもとにて (角川文庫)

大学生のころ、めずらしく衝動買いした本です。

かっこよく優しい大学院生の先輩に憧れて大学院に進学した女性の主人公と、先輩の彼女と、そのそのかっこよく優しいはずの先輩の話です。捨てられそうだと自覚のある「先輩の彼女」の切羽詰った辛さがなんかこう、ひどく印象に残りましたです。主人公が生きようとするところがこの本のキモかも。
多少ネタバレ的なことをいうと、私は過去に誰かと素敵な時間を共有できたときそれがあったから生きてける、っていうほうなんすけど、その素敵な時間の記憶の葬り方にこういう方法があるのか、というところで予想外の本でした。