もう読まないっていう本がたまにあります。で、年に一回か二回くらいブックオフへ本を売りに行きます。機械的に値段をつけると知ってたので、ちょっと前に法改正があって現に有効でない古い条文の載ってる商法の基本書なんかももっていったら買い取ってくれて、え?ほんまにええの?とそのときはびっくりした。ちと罪悪感があって、以降実用書は持ち込んでません。で、内容を吟味してないで買い取るというシステムは目利きが必要ないわけだから画期的だと思うのだけど、そのシステムのせいかブックオフの実用書のコーナーに行くと現に有効でない条文の載ってる本がけっこう有って、そんなもの誰が読むのか全然見当つかないのですが置いてるってことは買う人が居るのかもしれません。何に使うのかはなはだ疑問なんすけど。その体験があってブックオフは(小説やマンガはそんなことないのだろうけど)(ただマンガの場合「歯抜け」状態が気のせいか多い気がします)ツカエナイ本が沢山有るという印象なのです。で、ブックオフだと無い可能性が高いし、そもそも本は沢山あっても過去の本しかない確率が高いので私は欲しいと思った本はまず新刊本を売ってる大型店へゆきます。ある種のごみためのような部分を抱えてる印象が拭えないのですけど、なのになんであれだけ増殖してるのか、ちょっと謎。



個人的には社会人になるまで本屋は長い間「欲しい本を買う」場所でした。けど他の人はそうではないってことは、大学一年の頃判りました。金銭的に余裕があって本屋に「なんとなく」立ち寄り本を買うっていう行動をする異性の同級生がいて、その人は「欲しい本を買いに行く」ために本屋が存在してるのではなく、たまたまそこに本屋があって気に入った本があったから買う、というスタンスでした。無知だったといえばそうですが、そういう本屋の使い方本の接し方がちょっと衝撃だったのですけども。私は書店で懐具合と相談して欲しいけど買わない本とやはり欲しいので買う本を分別してて、買わなかった本は持ってる友人がいたら頼み込んで借りるか公共の図書館等で借りて済ませてましたので、はじめてそういう人と本屋に行ったときはちょっと羨ましかった。
また本屋は百科事典の代わりで必要な部分を探し出して切り取って来るという感覚です。今でもあまり変わらなくて本屋には最新の情報が詰まっていて、また必要な情報が常にあるという感覚なのです。私は知りたい項目を百科事典で探すように本屋をみていたのですが、アトランダムに百科事典を開いて気に入ったところに着目して、っていう人が居るんだ、という驚きもありました。
ちょっとだけ謎にせまるとたぶんブックオフ
「なんとなく」立ち寄り本を買うっていう行動をする人のための本屋
であって、そういう本への接し方をする人にとってはストレスが少ないはずで、たぶん何か必要な情報を探しに来たとか目的があって本を買うっていう人には縁が遠いというか、はなからそんな客は来ないだろう、という見切りがあるとおもうのです。本屋に百科事典的性格を期待してない人が多かったってことかもしれません。内容が現に有効でない実用書が並べてあるというのは普通の本屋ではありえないですけど、ブックオフなら「実用性?そんなこと求めてる客なんざきやしませんぜ」ってところなのでしょう。


それと105円だから読まなくてもいいや、と思って買った文庫本が自宅にないわけではないのですが、そういう衝動買いを全国各地で誘発したのではないかと推測します。100円ショップみたいなものです。

勝手な仮説ですけどもこれらの理由で増殖したのかな、と思います。


余談ですが二キロも離れてないところにブックオフがあって、そのそばの新刊を扱う本屋がいったん閉店したことが有って(半年くらいしてから別の人が引き継いだらしい)ひょっとしてブックオフのせいなのかな、と思ったことがあります。正確な因果関係はわかりません。でも出版社が倒産したり本が売れなくなっている原因をブックオフのせいにするつもりもないですけど、捨てられてたはずの本がブックオフに流れて捨てられなくなったことはたぶん出版社や本屋の首を緩く絞めてしまったのではないかと思えて仕方なかったりします。自由競争の社会ですからしょうがないといえばしょうがないかもですが。