朝日新聞が嫌いです

4人の死刑を執行と法務省が発表 05年9月以来の執行



 法務省は25日、4人の死刑を執行したと発表した。長勢法相の就任以来初めて。杉浦前法相が在任中に死刑執行命令書への署名を拒否したまま任期を終えたため、執行は南野法相時代の05年9月以来1年3カ月ぶりとなった。1度に4人に執行されたのは、永山則夫元死刑囚らが執行された97年以来9年ぶり。執行されたのはすべて男性で、70代も2人いた。
関係者によると、執行されたのは96年に広島県で4人の女性を相次いで殺害した元タクシー運転手H死刑囚(44、広島拘置所在監中)、高知県で78〜81年、義姉ら3人を殺すなどしたF死刑囚(64、大阪拘置所在監中)のほか、千葉県で75年、工場主を殴り殺して現金約1000万円を奪ったA死刑囚(77、東京拘置所在監中)、栃木県で81年、別れた妻の親類2人を殺害して金品を奪ったF死刑囚(75、同)。
就任3カ月足らずの長勢法相が執行命令書に署名した背景には、執行されていない死刑確定囚が100人近くに上る現状で、「今年の執行数をゼロにすることは絶対に避けたい」という法務官僚の強い意志があった。
裁判所が死刑判決を「量産」し、死刑確定者は06年は20人を超えた。一方、実際に死刑囚の命を奪うことになる命令書の署名には消極的な法相も多く、その結果、03年までは50人台で推移してきた未執行者は25日現在で98人に。法務省幹部は「100人を超えれば死刑制度の根幹が疑われることになる」と危機感を持っていた。
2006年12月25日付 asahi comより転載

過去に一度述べたのですが、死刑の存廃はともかく記事の内容についてあえて申し添えると、死刑執行を命じることが職務でもある法相が死刑を命令出来ない(公務を果たせない)のであれば、最初から法相など引き受けるべきではないとおもいます。わざと死刑執行命令書にサインしなかったことは法相が法相の任を遂行できなかったということよりも、(仏教徒として宗教的信仰心を理由に死刑執行命令書への署名を拒むことは心情的に理解出来るのですが)裁判所の判断をないがしろにしてるのとおなじで深刻な事態です。刑事訴訟法で定められた再審等の手続によって死刑執行が回避される可能性があるかないかを精査するために設けられた手続があって、それによって疑義があれば話は別ですけどそうでないのならサインはすべきであったでしょう。



で、私は朝日新聞をあまり読みません。大学生のときのバイト先が別の新聞社であったせいもありますが、たまにこういう記事を書くからです。なにを書いてもかまやしないのですが、ちと頭にきたのでものすごいバカなことをいってる、という指摘だけしておきます。少なくとも
>裁判所が死刑判決を「量産」
してなんかいません。
どこをどうとって、量産できるのでしょうか。今の刑事裁判の手続きで。
というのは死刑というのは本来「人間存在の根元である生命そのものを奪う冷厳な極刑」(最判S58・7・8)ですから死刑を科すためには特に誤判が生じないようにきわめて慎重に刑事手続や審理を進めて判断しているのが日本の裁判所です。簡単に量産できるものではないのです。
もし仮に朝日新聞が量産してると感じるのならば、その根拠を示すべきでしょう。まさか、死刑確定者が増えたことをもってのみ「量産」といってるのであるならば、随分とふざけた話だとおもいます。疑義を呈するのはかまわないのです。ただ、ものを知らないで勝手に文句をつけるような感じで云いたいことをいうというのは、云ってる本人はとても気持ちがいいことかもしれませんが、はたから見てると単なる阿呆であったりします。