人力詮索さては「票とカネ」(もしくは個人的体験のむかし話)

歳をとると自慢話と説教と昔話が多くなると高田純次さんがどこかでおっしゃってたのを知ってなるべく避けたいと思っていたのですがその禁を破ります。

実質はあほうがくぶ卒でありながら法学部出身だからという不思議な理由で役所との調整をしながら簡単に書けば道路や建築の工事に関する仕事をしていた時期があります。ある年の春、条例や法律にしたがって粛々と手続きを進め近隣への説明および挨拶を経て実際に着工してしばらくしてから、その自治体の(どの党とは書けないけど)議員さんがやってきました。曰く「遺法工事である」「すぐ工事を止めなさい」で、「すべて正式な手続きを経て着工してる」旨説明したのですが受け入れてもらえず、最後は「議会で取り上げるから」で終わりました。メモを取った上で、聞き洩らしの可能性もあるので録音していたのでそれを聞いても先方がなにを違法としてるのかにつき要領を得ず、会社の上部にも相談しています。手続きに瑕疵はないので結局「ほっとこう」という判断になりました。もちろん無事故で無事工事は終わっています。後日、顔見知りになった役所の人に「こういうことがあったんですが」と簡単に説明をして「議会によばれるんですかね」と尋ねたら「いまのところ議会でとりあげられてないはずですよ」とのことでした。ただ抗議に来た議員さんにとって何が目的だったのかはわかりません。もっといえばどういう対応を望んでいたのかがわからないのです。

ここから先は人力詮索になります。考えた先方の望む対応について、です。

その一。「先生ひとつここはお手柔らかに」といいつつ先方の事務所に行って紙幣を下に敷き詰めた饅頭の詰め合わせでも差し出せばよかったのかも、です。しかし運悪く(…運悪く?)贈収賄について刑法各論でちょっと齧ってしまってますからその発想がこちらにはありません。なお、お金を要求したら録音を持って警察へ行くハラだったのですが、お金の要求はされていません。

その二。だいぶ年数を経てから気が付いたのですが、饅頭でなくてもその議員さんの後援会に名を連ねて後援会費を払えばよかったのかも、です。しかし当時はどこが違法なのかわからず手続きが適正か否かに頭が行ってたのでそれもしていません。

その一その二にしても議員さんからすれば相手が悪かったとしかいいようがありません。ただ工事に「抗議をしに行った」という事実は残るのでその地域のいくばくかの票にはなったのかなあ、と。

現役の大臣が自らの職務について「票と金にならない」と発言をしていたのを毎日新聞で読んで、昔の経験を思い出していました。人力詮索がかなり入っていますが「あれも票とカネだったのかなあ」という気がしてならず、党は違えど代議士というある程度上位に居る人でも「票とカネ」を意識しなければならないならその下のいる人もそうなってもおかしくはないかな、と。

発言した人を単純に軽蔑すればそれで済むことなのですが、もし仮に政治家の行動の根っこに「票とカネ」が常に付きまとうとしたら、それはそれでちょっと悲しい気がしないでもなかったり。

政治の話は詳しくないのでこのへんで。