「東京を前へ」雑感(もしくは個人的に気持ちの悪い言葉)

野球と政治のことは書くつもりはなかったのですが、都議選で思うところがあったのでちょっとだけ禁を破ります。

いま住んでいる街では都議選である候補者が「東京を前へ」と不思議とよく連呼していました。それが気持ち悪く感じて都議選の間はひっかかっていました。くだらぬことにひっかかったのかもしれません。ただそのままだともっと気持ち悪いので、紐解きます。

「〇〇を前へ」というのは、それだけ聞けばポジティブに聞こえます。しかしながら「なぜ、なにを、どのように、前へ進めるか」というような具体的なことを問われる選挙戦において、それらすべてすっ飛ばした「〇〇を前へ」は単にポジティブに聞こえるだけでなにも考えを言ってないのと同じで、加えて、一見してポジティブに聞こえるゆえに前に進むことを否定すれば印象が悪くなることからそれを盾にして間接的に問答無用で白紙委任しろという意図が見え隠れしてて、まだ恫喝のほうがすがすがしいくらいに思え、計算された言葉のいやらしさが気持ち悪いと感じたのかも、と分析してます。

曖昧な短い言葉で言葉を尽くさぬその方針を本人が意図的にやってるのか、それとも党の意向なのかわからぬものの、怖いな、と思っちまったり。

言葉というのは考えを他人との共有化を図るためのツールです。人は言葉を尽くして説明することがあります。人間が二足歩行する動物と異なるのはそこらへんです。しかし言葉を尽くさないでこの人当選すると思ってるのだろうか、と駅頭に立つ候補者を遠くから眺めていたのですが案の定、当選していません。ひねくれてるので・相撲好きなので「前へ」といわれて脊髄反射的に「いなされたらどうするんだろ?」とか愚考したのですが、候補者は議会に行く前に私を含む有権者にいなされてしまったわけで。

話をもとに戻すと、政治の話をしようとしてなんだかひっかかった言葉の話になってしまったのですが、地方議会のこととはいえ今回の選挙、ささいなことなんすけどちょっと考えさせられました。