明治記念大磯庭園へ

東海道線で東京から1時間くらいのところにあるのが大磯で、普通電車しか停まらない大きくはない街です。ただ別荘地としては有名で、土曜に大磯にある別荘に行ってました

というのはウソです。冗談です。ごめんなさい。しかし明治以降に建てられた別荘の幾つかは大磯に残存してて明治記念大磯庭園の名で整備中で、見学ができます。残念ながら整備中ゆえに建物の中はいまは非公開で、庭園も入れる部分が限られています。限られていてもなかなか見ごたえのあるところです。写真は聴漁荘という(明治期に不平等条約を改正した)陸奥宗光という外相の別荘が古河家によって関東大震災後に建替えられたものです。

海がある南に向かってガラス窓が並んでて、ああ漁船の焼き玉エンジンの音を聴くという意味なのかなと浅はかな人間は思っちまうのですが、

本来は学を漁り聴くという意味のようで。知れば知るほどもっと知りたくなることはあるものの名を成してもなおその精神を失わないのはすごいな、と静寂の中、感心してたら

カコンと鹿威しが鳴り、それに驚いてつい声をあげちまって、呆れられています。おれ、鹿だったのか。ほぼ貸し切りに近かったのがラッキーでした。

わかりにくくて恐縮ですが(すぐ隣が砂浜なので湧水があるとは思えないのでどこかから引水したであろう人為的な)滝の痕跡もありました。かなり手が込んだ作りの庭だったようで。

聴魚荘に隣接してあるのが大隈重信の別荘あとでそれをやはり古河家が買収したもの。

和風建築なのですけど、ガラスと長めの庇のせいかどこか古さを感じさせないというか不思議な建物です。

写真は大隈別荘時代の五右衛門風呂の釜なのですが別荘内本棟にあったわけではなく、建物から海辺に向かって歩いていったところに図面上は離れがあって、五右衛門風呂はその近くから出土したもの。説明書きを読む限り、海水をこの風呂に中に入れて温浴してたようで。海水温浴って現代ではまず見かけませんが、でもなんでなくなったのか。

聴漁荘・大隈家別荘の松林の南は海です。大磯のあたりから小田原にかけては「こゆるぎ(小余綾)の浜」といわれてて(古今和歌集だったか記憶はあいまいだけどともかく)わりと古くから歌が詠まれてるところで・知られたところなのですが、ゆるい海かっていわれるとそんなことはなく、上の1枚をとった

その3秒後にはあわてて逃げざるを得ない状況に。

三密回避どころか見事なまでに誰も居ません。

 

なお同じ大磯町の城山公園では(おそらく)緑桜だと思われるものが開花してます。現場からは以上です。