アナログの時計

甲府信玄餅は別として死んだ両親はよくある定番の土産を買うことを露骨に嫌っていました。安直に金を使うな、情報収集して考えて金をつかえ、という教育だったのかなあ、とは今になって思うのですが、当時はそんなことはわかりません。両親が生きてる間に京都に数回行っていますが、考えなくて済む定番の生八つ橋を買って持って帰ったことはたぶんありません。その代わり宿の人であるとかメシを喰いに行った店などで美味しいと思うところを教えてもらって、今出川駅からいくらか離れたところにある堀川通りの田丸弥というところの白川路というおせんべいか、四条河原町にあった長久堂というところの求肥昆布という求肥の菓子をわりと買っていました。定番外しのおかげでほかにも永楽屋の琥珀であるとか知らんでも良い京和菓子をいくつか知ったのですが、って定番の話をしようとしてズレちまった。

はてなのお題が「私の定番グッズ」なのですが。

定番というのが「考えなくて済む」という点でいえば、ずっと使ってるのがアナログ表示の懐中時計です。デジタルもアナログも現在の時間表示は同じです。でも、ぱっと見で長針と短針の位置を確認して現在の時間を割り出し、精確でなくてもいいから特定の時分まであと何分程度あるかとかをとらえたいとき・たとえば11時まであと何分くらいあるかなんてのは、慣れてるアナログのほうが個人的には都合いいのです。特定の時分までの計算はデジタルでもできないことはないのですが考えるのがめんどくさく、デジタルよりあまり考えずに視覚的に理解できるアナログ表示のものをずっと使っています。このことについて書けば書くほど視覚的というか感覚的なものに頼りあまり頭を使いたくないおのれのすがたが浮かび上がってくるのですが。

私は粗雑なのでフタつきのを使っています。ねじ式ではなくクォーツ式です。朝から晩まで肌身離さず持ち歩き、かなり使い込んでいるのであまりキレイではありません。