鰆でも鮗でも鰈でも鮃でもいいのですが魚というのは工業製品じゃないのでいつでもどれでも同じ均一の品質とは限りません。なので市場で専門業者が集まって優劣を見極め競り売りなどの手段で値段を決めます。大都市のそばには大きな魚市場があります。名古屋なら熱田、東京だと築地にあります。
築地の魚市場を豊洲に移転する・移転しないでもめたあと、基本的に「豊洲に移転する」けど「築地にも市場機能を残す」という方針を去年、都知事が打ち出しました。でもですね、仮に2つあったら、買う方からすれば良い魚が集まりやすいほうがありがたいですし、売る方からすれば高く買ってくれそうな市場に優先して流すに決まってるじゃないっすか。近くに2つあったらどっちかが必ずさびれます。もちろん「鱈は豊洲、鮪は築地」なんてやるわけにもいきません。鯖であろうと鱸であろうと同じところですべてが揃うから市場でみんな使うのです。また市場の建設費の一部は卸・仲卸などに貸すショバ代から回収する計画です。卸・仲卸が二つの市場にそれぞれショバ代払ってたらシャレにならないので扱う商品に転嫁するしかありません。
でもって民営の市場を作るのかどうかまではわからぬものの「都としては築地に市場を設けない」という方針がここで出てきました。五輪のニュースに隠れて出すところが姑息です。でも魚の流通が煩雑にならないで済むのは肉より魚が好きな都民としてはありがたかったり。