世界に一つだけの花

よく他人と比べてもしょうがない、ってなことをいうのがあって、たぶんそれはそうなんだと思うのです。でもなんで比較するかっていったら簡単で、比較することで自己のポジションが判るからです。凡人は、他人が居てはじめて自分を自覚できることがあります。ああ、俺勝ってるじゃん、ってことが自信につながるわけで。そういうことをやっちまうし、やらないとしんどいわけっす。極端な話、風呂場で比較する(どこを?というのは良いこのみんなはかんがえなくていいです)。
「ナンバーワンにならなくていい」って槙原さんは歌うわけですが、社会に出たいま、もちろん「ナンバーワンにならなくてもいい」だってのは、わからんでもないのです。だけどそれで完全に納得するのは難しいんじゃないかなあ、と思わないでもないのです。だからこそひとりひとりが違うからこそ孤独に耐えられなくて、好きな相手に告白されることのように、内心どこか「てめえがいちばん」っていわれたいことってあるんじゃないかなあ、とおもうので「特別なオンリーワン」ってのもわかるのです。と、同時にそれを云えるのは槙原さんという余人をもって代えがたい「特別なオンリーワン」の存在で「ナンバーワンにならなくていい」人だから説得力を持つ、と思っていました。でもって、その「世界に一つだけの花」を「ナンバーワン」であり続ける・ひた走るSMAPが歌うとどこか嘘くさい、と思ってしまったことがあって、以降ほとんどの新曲を知りません。
こんなことを語りたいくらいにSMAPというのは不思議と身近な存在でした。ほぼ同年代で、アイドルのはずなのにアイドル臭がなかったせいかもしれません。
SMAPのアルバムが年内に発売されて、リクエストの上位50ってのをチラ見したのですが、上位は知らない曲がほとんどでした。前に書いたことがあるかもしれませんが、わたしは変な癖があって、脳内でメロディを再生してそれまでの思考を断ち切り、気分転換を図ることがあります。名古屋にいた頃に一時期多用していたのが「SHEAK」とか「Dynamite」とかのあたりで、レジャックのそばの高架下で誰もいなかった時などは歌ってました。「SHEAK」はフリもうっすら覚えてるかも。ただ上位ではなくて、ちょっとがっかり。
おっさんの追憶のためのアルバムではないのですから当たり前といえば当たり前なんすが。