専ら

前にも書いたかもしれません。
東京の錦糸町というところで呑んでいた時に・錦糸公園のそばにもんじゃ焼き屋があってそこで同性二人でデートしたあと、ラブホテルへ行こうとしたことがあります。錦糸堀あたりのラブホテルに入りました。部屋の写真があってボタンでどの部屋が良いかを選べるのですが、鍵は手渡しです。でも鍵は渡されませんでした。そのとき「ああ、男二人はダメ」ってなことを云われちまったからです。想定していないことをが起きると、けっこう言葉って出てきません。「わかりました」っていってその日は手をつないで錦糸町の駅へ戻りました。こういうとき、かける言葉ってありません。
いまだったらネットで検索できますが90年代の半ばはいまほどネットが普及してるわけでもない時代で、なおかつゲイタウンと縁がないので、同性二人でラブホテルが基本NGということを知らないまま突進して傷ついていたわけです。後日湯島とか上野にあることを知りました。なんで知ったかといえばまず広告目当てでゲイ雑誌を買って当時ダイヤルQ2というのがあって見ず知らずの人と会話ができるのですがゲイ専用の広告をメモして公衆電話からかけて全然知らないゲイの人から訊き出したのです。そこまでして「したい」のか、っていわれるとしんどいですが、ダメっていわれた後の顔をみて、やれることってそれくらいしかないじゃないっすか。でもっていまだに覚えてるのですが耳学問で知っていた身体に石けんを塗って密着させてうごくってのは湯島ではじめてやった気が。あれ、ラブホの醍醐味ですよねってそんな話はともかく。
20年近く経過しても多くのラブホテルは同性二人では入れないっていう状況はそれほど変わりません。ネット上では諸説あって犯罪防止だとか同性だとマナーが悪かったとかあるようなのですが、なぜダメなのかは正直わかりません。ラブホテルを定義する風営法の2条6項4号に

専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業

とあるのでそれを素直に読む限り、ああ同性はダメなのかなあ、と思っています。が、おそらく「専ら異性同伴」の「専ら」が「必ず○○でなければならない」ということを意味するわけではないゆえに湯島などではオッケイなのかなあ、と思ってます。でも多くはおそらく異性のみという狭く解釈しているはずです。
でもって大阪府で同性2人の入店を断ったラブホテルが府の行政指導を受けた、という報道があって果たしてなにを根拠に、というのが気になります。解釈に幅が出てきて同性二人でもオッケイなら、もしかしたらこれがよい方向へ変化してくのかなあ、なんてことを思っちまったり。
というよりもなによりも、ダメっていわれて悲しむカップルが減ればいいのですけど。
【26日追記】
同性二人の宿泊を拒否したのは偽装ラブホテルであって風営法に基づくものではなく旅館業法によるもので、その点で府の指導が入ったようです。若干怒られそうなことを書くと、偽装ラブホテルでは同性2人がオッケイ、ってなるとありがたいのですが。id:hanapekoさま、ご教示ありがとうございました。