がんの分野ってわけあって興味があるんすが、いまある抗がん剤って副作用がわりとあります。その副作用ってのが実はけっこう根深い問題で、去年知ったのですが、いま東大でスパコンをつかって再発や転移を伴う進行がんに使える副作用の少ない医薬品の設計をしようとしてます。体内のたんぱく質同士の相互作用は複雑なんすけど分子1つ1つの動きを計算して抗体とがん細胞の相互作用を正確に分析し、そこからより効果的な人工抗体を設計し副作用の少なめのがん細胞のみを狙い撃ちする医薬品を、ってなことをやってます。東大もスパコンをもってますが計算しなければならないものが多いので処理能力が足らなくて時間がかかっちまうらしいのです。当座東大で計算してくつもりらしいのですが、進行性のがん患者がいる以上急を要する話でもあって(基礎的なところは三年以内っていう予測)、将来的には神戸の理研スパコンを使いたい、という目論見はあるようです。「二位じゃだめなんですか」っていわれた今月ポーアイに完成したやつです。
今更なんすけど「二位じゃだめなんですか?」っていうのはほんといやらしい質問で、速さが必要なのにそう問われてダメなんですとこたえたら速さにこだわることが執着のように聞こえてくるし、速い演算が可能なスパコンが欲しい以上は速さについて妥協するわけにはいかないからです。欲しいのは計算の処理のスピードの速いスパコンであって、なんで【速く計算する必要がある・需要がある】のかってことを考えずに【世界最速になる】という結果だけ考えても意味はありません。でもなぜか不思議と結果というか、【世界最速になる】という印象に残るところ・目立つところが叩かれるのかなあ、と。能ある鷹は爪隠すってことばがありますが、最速ということを隠していたら騒がれずに済んだのかなあ、なんてことを神戸新聞を読みながらぼんやり考えてました。


もしかしたら人というのは目立つところ・印象に残りやすいところに視線がいっちまう・語っちまうのかなあ、と思ったりもします。オシャレに気を配る人に関して(その人が真面目かどうかよりまず)オシャレだよね、なんて言葉を聞くと、なんとなくそんな気がしてくるんすが。