しら梅は袖に

「しら梅は袖に湯の香は下のきぬにかりそめながら君さらばさらば 」
っていうのが与謝野晶子さんの短歌にあって、

ゲスな勘繰りをすると「しら梅は袖に」ってのは、たぶん誰かとの逢瀬で抱きしめられたか抱きしてたかで相手が焚きこめた梅の香が袖についてしまった結果で、「湯の香は下のきぬに」ってのは、お風呂に入ってその残り香なんだろうなあ、と。風呂上りににおいが残ってないか確認して石鹸のにおいを確認したりなんてことはないわけではないような。
「かりそめ」ってのは、その場限りで、「君さらばさらば」なんすからわけわかんないのですけど、わけわかんないなりに想像できるのはラブアフェアというかほのかにいろっぽい情景なのです。訳すとなんだか野暮っすが。


香りで情景を表現する与謝野さんてすごいよな、とむくつけき東男は思っちまうのです。

梅の香は鼻を近づけてもいまいちぴんとこないのですが、服を通して悪くない程度になんとなく香水をつけてるのかなーと感じさせる人のそばにいくとああ俺もちょっと香らせてみようか、って気になるんすが、ラブアフェアはちょっと遠そうなので、すぐ消えちまうかもしれません。