サンタクロース

サンタクロースをいつまで信じてたか、正直覚えてません。でも小学校に入ってしばらくしてから枕元に見覚えのある近鉄百貨店の包装紙に包まれた箱がおいてあったのを見て、なんとなくサンタクロースは実在の人物ではないっていうのを覚知した記憶があります。プレゼント自体は嬉しいのですけど子供ながらにさすがに近鉄百貨店にサンタクロースが買い物に行ってるとは思わなかったからです。たぶんそれまではなんとなく信じてたような気がします。
で、子供の頃は出入りしていたところにクリスマス会ってのがあって、行事の最後に、たしか500円くらいでプレゼントを持ち寄って輪になって歌いながら交換し大人が号令した時点で持ってる誰かのプレゼントを持って帰ってよい、というシステムがありました。はじめて参加したときに綺麗な貝殻が箱詰めされてたのを持って帰った記憶があります。海をほとんど知らず、貝なんてものをほとんど見たことがなかったので、海にはこんなものがあるのか、ってことを思いをはせたことを強烈に記憶してます。その経験があってからは毎年、そのクリスマス会に参加するためにプレゼントを何にするかってのを子供心にけっこう真剣に考えてました。誰かに手渡すものはへたなものは贈れねえ、ってなことを考えちまったのです。考えて人に物を贈る習慣ってのを、サンタクロースにまつわる行事をきっかけに、刷り込まれたわけっす。や、ちがう、その経験をサンタクロースから贈られたのかもです。で、その経験・習慣は容易に捨てられるものではなく、大人になった今でも誰かに何かを贈るときはけっこう真剣に悩みます。どこかへ行ったときのみやげ物でも同じことで、どこへいってもかなり時間を食っちまいます。また、考えられた贈りものなんかは、やはり嬉しかったり。


サンタクロースは実在しないかもしれないっす。けど、ことばは悪いですけど30過ぎててもなお子供の頃のサンタクロースが精神のどこかに巣食ってて、ほんとに居ないとは、ちょっと云い難かったりします。