労働法の世界は奥が深かったりします。深く追求すると面白い論点があります。たとえば正社員と臨時社員の賃金格差の問題があります。ほぼ同一の労働をしている人が2人いて、片方が25年働いたパート、片方が正社員ってときに、賃金に差があるのはどうよ、ってのがありました。丸子警報機事件というのですが同一労働をしながら同一賃金を支払わねばならぬっていう法規範はないし多少の格差を設けるのは使用者に許された裁量の範囲内である、ってしながらもこの事件では正社員の賃金の8割を下回る水準でしか支給していないのはおかしい、っていう判断を下しました。正直その8割って言う数字はどっからでてきたのか根拠は判決要旨を読んでもよくわからなかった記憶があります。裁判官の腰だめの数字がそのまま現れたのかもっすけど。
で、正社員と派遣社員に多少の格差があっておかしくないと思ってはいたのですが(労働者の憲法由来の)勤労に関する権利はあまねく平等であるべきなのにそれが具備されてない、ってところが派遣切りの問題の焦点だと思ってました。「勤労の意思がありながら解雇の危機に瀕してその職場に対して団交という抵抗の手段が事実上無い人とある人とが一緒にその職場に存在する不条理」が問題なのだから(ここで派遣先に対しての団交を認めるとかの)労働法制の見直しとかの話に行くのかな、とおもってたら、なんだか自己責任の話とか「弱者を切る世の中はどこかおかしい」の方向へなんとなく進んじまってる気がしてならなかったり。


専門外のことは自分の予想とか感覚はほんとずれてるなー、と思う。