医学とか家政学実学の分野と違ってたぶん文系の人間が興味を持つ分野ってのは、だからなんなんすか?ってのが多いと思います。それ世の中の役に立つのかって云ったらけっこう怪しい部分があると思う。
自虐的にいうと法学部なんて最たるものです。家族法なんか非常に面白い論点がつまってます。日本では婚姻について3親等内の傍系血族はダメ(おじと姪、おばと甥とか。でも婚姻制度の話で届出が受理されないだけで別に近親間でナニやっても自由だったりします)。で4親等以上離れていれば(直系でない限り)血族同士の結婚も認められているため「いとこ婚」が可能です。しかしいとこ婚ってアメリカなんかだと過半数の州では「いとこ婚」は認められていません。「いとこ婚」が認められてないアメリカ諸州でも源氏物語が読まれてるわけっすけど、ですからあの国では源氏物語は禁忌を越えた愛というフィルタがかかってると思われます。中国もだめ。で、なんで日本の場合大丈夫かっていったら「やんごとなき方々」がいとこ婚を平気でなさってたからではないか、という仮説が同級生間では支配的だったんすけど。
いとこ同士がよくて甥とおばがなんでダメなのかとか同性婚も含め婚姻の禁忌についてなんでだろう、と考えることは文系の学部を出たハシクレとしてはなかなかおもしろいのですが、役に立つかっていったらなんの役にも立ちません。


塩ラーメンになぜゴマがついてるのかを考えるのに似てるかもしれません。これもえてしてなんの役に立ちません。もののたとえなんすけど、塩ラーメンになぜゴマがついてるかってことを語ってるときに、塩ラーメンにはゴマが入ってるのがデフォルトなんですよですからそんなこと気にするほうがおかしいとか、すきずきでは、って云われたりもします。
でも、引っかかったものを結果として役に立つか否かとか度外視して立ち止まって考えられるか否かってのはどこか重要なんじゃないかと思えて仕方ないっす。私がいた母校はそういうところで、感謝するとしたらそういう訓練を施してくれたことでしょう。


今日、母校の名前を偶然みて、漠然と母校のことを考えてました。