イトーヨーカ堂の創業者というのは、確か伊藤さんとおっしゃる老紳士で当然面識がないのですが、なんていうか、北千住という下町で商売を続けて叩き上げでやってきたゆえにたまにいうことがものすごく奥が深く、ほほー、と思わせることがあります。最初に意識したのはどこかの会社を買収する提案をして失敗したときだったとおもうのですがどうしても欲しかったらしく「魅力的な相手がズロースをさげられておいでおいでされたら普通無視できないでしょう?」という云い方をして、なんてすごい表現をする人なのだ、と高校生だったときに感心した覚えがあります。以来なにかにつけて新聞などで発言があるとメモったりしていました。で、いちばん薀蓄があるなーと思ったのは、
『銀行は金を貸してくれなくて当たり前
 問屋は商品を卸してくれなくて当たり前
 顧客が店にいらっしゃらなくても当たり前』

というやつです。こういう考え方でずっと商売してきたらしく、バブルのときもこんな好景気ずっと続くわけがないと考えていわゆる『死に筋(売れない商品のこと)排除』とか『単品管理(在庫管理の徹底)』とか地味なことを続けていたようです。


銀行は金を貸してくれなくて当たり前、という悲観的にも思える考えは、社会人になって私は常にどっか、腹の底にもっています。実際銀行なんてそう簡単に金を貸してくれませんし(けど要らないって時にしつこく借りろ借りろとやかましいのですが)、他人が手を貸してくれなくて当たり前だとおもいますし(むしろ足を引っ張る人も居るし、知識は自分で仕入れるか他人に頭を下げて教えを乞う)、他人と判りあえなくて当たり前で(いろいろな人と関わりあえばどうしたって価値観があわないひとやムカつく人だっている)、好きな人に好きになってもらえなくても当たり前(ゆえに気に入ってもらえるように頑張る)、ブログは読んでもらえなくても当たり前だしコメントもらえなくて当たり前(しかし世の中にはコメント協同組合みたいな相互にコメントしあう謎の組織があるらしい)とか、です。
でも、たまに忘れるのですが。


多少悲観的になることでわりとどうやったらいいか対策が見えてきたり、想定外のことがおきてもあまり動揺は激しくはならないのですが、それでも猶、キレやすくなる事があります。あることについての反論や言い分が腹の中に溜まってイラついてて、なおかつその反論も、反論する行為そのこと自体も自分のなかではつじつまがあっていて(あくまでも自分の中の話ですが)、でも実際は複雑な事情があったりして外部に出さずに溜め込んでいるときとかです。そうなったら誰にも愚痴が話せずにいてある時突然感情を爆発させて取り返しのつかぬ事にならないようにはするつもりです。愚痴を適度に吐き出せばそのキレる可能性は減るのではないかと思ってはいます。
けど私はどこかで愚痴を云うことはかっこ悪いことだ、というふうにおもってて、差し障りをおぼえてためらうことがあります。感情吐露って、子供でもできますし、また愚痴自体がそもそも何をしなければならないか判ってるけど実現可能性がないとか絶望的だとか面倒だからしたくないってことをとうまわしに述べてることが自分の場合ほとんどで、だったら他人に云わんでもええやん、かっこ悪い、となってしまいます。これじゃまずいとおもってはいるのですが、事件を起すか胃に穴を開けない限り治らないかもしれません。

なんかこうほんとは生きていると何事も面白いところとそうでないところが交互にあって、想定外のとき、しんどいとき、どうやって対処するかということはずっと考えていました。けど、明確にこうすればいいという結論は(本格的に考えていないので)でていません。ただ予めちと悲観的になっておく、というのは実は有用なのではないかと考えてます。むちゃくちゃ後ろ向きの考え方ですが。


以下後日記
上の記事だけだとなんか暗いので明るくなる記事をあげておきます。
NBAにいたスター選手のアーヴィン"マジック"ジョンソン(Earvin "Magic" Johnson Jr)という選手の言葉です。これも薀蓄があって、ちょっと前に知って実はずっと心の奥底にある言葉です。




[黒人の少年達への言葉 ]




『お前は無理だよ』と言う人の言う事を聞いてはいけない。
もし、自分で何かを成し遂げたかったら、
できなかった時に、他人のせいにしないで
自分のせいにしなさい。

多くの人が僕にも、お前にも無理だよ、と言った。
彼らは君に成功して欲しくないんだ。
何故なら、彼らは成功できなかったから。
途中で諦めてしまったから。
だから、君にもその夢を諦めて欲しいんだ。
不幸な人は不幸な人を友達にしたいんだ。
決して諦めては駄目だ。

自分のまわりをエネルギーであふれ、
しっかりした考え方をもっている人で固めなさい。
自分のまわりを野心であふれ、プラス思考の人で固めなさい。


近くに誰か憧れる人がいたら、
その人にアドバイスを求めなさい。
君の人生を考える事ができるのは君だけだ。
君の夢が何であれ、それに向かって行くんだ。
君は幸せになるために生まれてきたんだから

なんかこう、これには解説は不要かもしれません。