朝の上り電車の中で

出勤するときに途中までJRを使います。いつもよりちょっと早めに出たのですが、隣の駅から盲導犬を連れた方が乗ってきました。人が多くても威嚇もしません。しかし駅に止まるごとにちょっとずつ人は増えてきます。そうすると自然と盲導犬との距離も近づいてきて、(私は乗務員室の壁に立っていたのですが)ほぼ3センチくらいの距離にまでなってました。急に減速すると踏ん張らないと足を踏んでしまいそうで怖かったのですが、ふと周囲を見るとみんな盲導犬をちらっちらっとみていて、やはりみんな不用意にぶつからぬように・足を踏まぬように、気を付けているのがなんとなくわかりました。ほんと見えぬバリアが出来ているかのようで。

なぜそうしたのかはわからぬのですが盲導犬はいくらか向きを変え、尻尾をこちらに向けてきました。尻尾が無いので尻尾に不意にぶつかるのがどういうことかわかりませんから、ぶつからぬように気をつけよう…と思ってた矢先、弁慶の泣き所に不思議な触感がありました。尻尾を不意に左右に振りだしてそれが弁慶の泣き所に当たってるのです。左右に人が居て壁際なのでさらに後ろに移動できず逃げ道がなく、向こうが触ってくるのだし不可抗力だし、そもそも尻尾を振るのはリラックスしてるときというのを読んだ記憶があって、なので事を荒立てるのは得策ではないと考えて、されるがままにしばらく耐えて(?)ました。近くに居た学生がいいなあという顔をしていたのが見えたのですが、代わるのも変だし、なので、一駅間ほどそのまま。

私が地下鉄に乗り換える駅より手前で彼らは降りて行ったのですが、毛がついていたわけでもないのでなんの問題もありません。ただ、足や尻尾を踏まずに済んで正直少しだけホッとしたことを白状します。でもって、こちらから触れるのではなく向こうから触れてくるのは問題なさそうなのも今回知りました。

盲導犬があたりまえになる世の中の方が良いと以前から思いつつも、足や尻尾に気をつけることまでは思い至りませんでした。なんだろ、実際に直面して気が付くことってあるのだな、と。