夏に豆腐に載せるもの

池波正太郎作品の中に秋山小兵衛という人物が出てきます。その小兵衛さんが夏に食べたものとして冷や奴が出てきます(「小判十二両」)。笊に入れてたと思われるのですが井戸水で冷やした豆腐にすり生姜を置き、酒と醤油を合わせた(うえでたぶん煮切った)ものを加え、最後にごま油を二、三滴落としたとあります。これは実際真似をしたことがあるのですが生姜によって変化が出て、加えてごま油はその香りのほかに豆腐の旨味を引き出し、鼻と舌で豆腐を味わうことになってバテててももうちょっと食おうかなという気にさせるものです。

ただ厄介なことを書いておくと小兵衛さんは作品内では一日に四丁ほど豆腐を食べたことになっています。上記の冷や奴だけですべて食べきったわけではないであろうし、そもそもの話としてフィクションを史実や事実として考えるのはNGと承知してるものの、でもやはり読んだときに一日四丁はムリだろう、と咄嗟に思っちまってます。

とはいうものの。

東京のここのところの東京の暑さなら冷えた豆腐四丁くらいもしかしたらイケるかな、という気が。

相撲部屋などで食べられてるピリ辛の力士味噌というのが東京にはあります。ご飯に載せてもいいしキュウリにつけたりナスの田楽に向いてて、ちゃんこ料理の店ではお馴染みの食材で、もちろん豆腐に載せるのもアリです。見つけて買っていて、さすがに四丁には挑戦しませんが半丁くらいは載せて食すつもりです。

べらぼうな天候を呪ったところで天候がどうなるものでもなく、どうしようもないので、食べ物を工夫しながら残暑を乗り切りたい所存です。

お題「これ買いました」