コーヒーマシン

違いがわかる男ではなくインスタントコーヒーが苦手なので家でのコーヒーは常に粉のキリマンジャロを常備していて、それをコーヒーマシンにセットしています。コーヒーミルで豆を挽きフィルタを敷いたドリップにいれそれにお湯を注いで…ってのに憧れがないわけではないものの、その点私はかなりゆるいです。森博嗣さんのS&Mシリーズでコーヒーを愛飲する犀川先生という登場人物が居て『封印再度』という作品の中でコーヒーマシンにコーヒーをセットする描写があって、おお!同朋が居る!!と妙に親近感を覚えたことがあります。しかし残念ながら私はコーヒーを飲んでも犀川先生のような明晰な推理はできません。なのでいつものように役にも立たないくだらないことを書きます。

いまあるコーヒーマシンはサーバーがステンレスで象印製の、確か12年以上前のものです。それまでのコーヒーマシンのサーバーがガラス製でそれを割ってしまってて、なので「頑丈なやつが良い」と考えてそれにしています。さすがにステンレスだけあってサーバーは壊してはいません。もちろんサーバー以外も現役です。

…と、いいたいところなのですが。

いつものようにセットしたあと、なぜか

「コーヒーがサーバーに入る量<コーヒーがコーヒーマシンから零れ落ちる量」

になってしまうことがあって、当然コーヒーが溢れ出ることがあります。幸いなことにコーヒーマシンの下にホーローの比較的大きめの受け皿を敷いてあるので大惨事にはならないものの、コーヒーマシン内に残存した水がすべてなくなるまではどうしようもなく、しかし注意深く事態を注視したところでなんの意味も無いので、あちっあちっと云いながら雑巾で拭きとることになります。それがこの1年くらいで何十回に1度ペースで起きるようになりました。長持ちさせようと常にきれいにしてるのでサーバー上部やコーヒーマシン内部の粉の目詰まりも考えにくく、フィルタも粉もほぼ毎日同じものを使ってて、原因がわかりません。ほんと謎です。拭いたあとのコーヒーの香りのする雑巾を手にすると犀川先生のように明晰な推理ができる脳を持ってないことが悲しくなってくるのですが。

お漏らししたコーヒーマシンを見て「買い換えたら?」というアドバイスは貰っているものの、まだダイジョウブな気がして(正常性バイアスという言葉もチラチラ頭をかすめつつ)、踏ん切りがつきません。理屈でないところで生活に溶け込んで愛着を持ってしまってるのかも。

はてな今週のお題が「マイベスト家電」なのですが、手放せないという点では長年連れ添ったたまに(≒60日中59日は平常に稼働する)お漏らしする象印のコーヒーマシンです。特に他人に「どうだスゲーだろ」とえばれる特徴はサーバーが頑丈という以外何一つないです。でも家電って「どうだスゲーだろ」とえばるために買ったり持ち続けたりするわけではないような気が。そんなことないっすかね。ないかもですが。