朝ラーのこと(もしくはおのれの頭の固さを自覚した件)

古語に朝餉とかいてあさがれいと読むことばがあります。天皇が簡単な食事をとるスペースのことで、もちろん見たことはありません。応仁の乱以降財政的に厳しかった時期から明治天皇が東京に出かけるまで御所のそばの川端道喜という和菓子屋さんが毎朝おはぎのようなものを6個献上していて(京都御所には専用の道喜門というのが現存していて)、御朝物と呼んでそれを心待ちにしていた天皇も居た、という話を聞いたことがあるので、たぶんおはぎのようなものを江戸期にはそこで食べていたのかもしれません。おはぎというと彼岸の時期に仏壇に供えたもののおさがりを食すことがあるのですが、朝に食べたってほんとは奇異ではないはずです。もっともそう考えるのは静岡に安倍川餅というのがあって日持ちする土産物として売っていて、それをカバンに忍ばせて帰京し退社後待ち合わせて飲酒して、結果的に翌朝にパンが無いので安倍川餅を朝に2人して食べたことがあって、なので(パンがないならお菓子を食べればいいじゃないではありませんが)和菓子で朝餉というのにあんまり違和感がないだけかもしれぬのですが。

話はいつものように素っ飛びます。

いま住んでいる街のラーメン屋さんはここのところ生き残りをかけてなのか朝ラーメンをはじめています。蕎麦寄りですがめんくいな癖して「朝にラーメン」というのがちょっと抵抗があって、試していません。エビ塩とか塩煮干しとかがラインナップなのですけど正直に告白すると和菓子は別としてもさすがにラーメンはないだろ、と思っていました。でも続けてるところをみると、案外お客さんはいるのかもしれません。

なんだろ、朝食について経験からしか想像できないおのれの頭の固さを自覚したんすけど、それはともかく、ここで食文化も変わっていくのかもしれなかったり。