甘っちょろい希望

ひかれそうなことをまず書きます。

いまは何年も特定の一人の相手しか(よいこのみんなはわかんなくていい)関係を持っていませんが、いまより若かったころにいまとは別の人と(よいこのみんなはわかんなくていい)関係を持ったことがあります。そのときにいまでいう危険ドラッグを誘われて使用したことが複数回あります。以前はまったく規制がなかったのです。片方の鼻の穴を上から指で抑えもう片方の鼻の穴でそれを吸うと身体が敏感になり、指の腹でわき腹をなぞられるだけで電流が走り、胸も敏感になり、冷静な判断がむずかしい興奮状態に陥ります。快感はしばらく続くけど醒めるので決して地獄ではありません。ある夜、吸うことをすすめられたのですが鏡に映る片方の鼻を抑えてそれを吸おうとしたおのれの裸の姿は妙に滑稽で「ノリが悪くてごめん」と断り、ムリに強要されなかったせいもあってそれ以来はほぼつかっていません。20年くらい確実にご無沙汰です。これをいうと笑われそうですが、決定的理由の一つは真偽のほどはともかく(よいこのみんなはわかんなくていい場所が)カタくならなくなる、というのを聞いたせいもあります。私は根はスケベですが怖がりでビビりです。ただ、知らないでいられたなら知らないでいられたほうが良かったかな、という経験ではあって、その後聞き覚えのある危険ドラッグで逮捕される人が新聞で報道されるたびに「抜け出せなかったのかも」という本来は同情しちゃいけないのかもしれないものの微妙な同情がありました。私は意志が固かったわけではなく怖がりでビビりで偶然引き返しただけ、という意識があります。ここらへんのこと、前にも書いたかも。

なんでこんなことを再び書いてるかといえば、槇原敬之さんが覚せい剤のほかに聞き覚えのある危険ドラッグの所持で逮捕されたのを知って、同情しちゃいけないんだろうけどもしかして「抜け出せなかったのかも」という微妙な同情が最初はやはりありました。

話はいつものように横に素っ飛びます。

新幹線の新青森延長時によく流されていたCMがあって、そのCMでは吉幾三さん演じる古参駅員があたらしく青森に赴任してきた駅員を出身地の東京に絡め「おい東京」と呼びます。私は青森に赴任経験はありませんが私もまず最初は名前を覚えてもらえなくて「おい東京」だったので、そのCMを視聴したとき「おれもこうだった!」ってのがあったので不意に涙がでてきちまっています。そのCMで流れていたのが槇原さんの「林檎の花」です。歌詞と関係なくいまでもそのメロディを不意に聴くとうっすら涙ぐみます。理屈ではないところで音楽には記憶とリンクして情を動かすところがあるのではないか、と思ってるのですが、それに改めて気づかされたのは槇原敬之さんです。もし容疑が事実であったとして作品が封印されてしばらくそれらが聴けなくなるのかも・新曲はしばらくでないかも、と気がつくと微妙な同情は吹っ飛んでいくらか動揺してます。

容疑が事実であるのならほんと残念なのですが、刑事手続き等を経て、甘っちょろいこと書きますが、願わくばもう一度、復活してほしかったり。