左ばかりにならぬように

手袋の左ばかりになりにける、という子規の俳句があります。俳句というものをちゃんと理解はしてないものの体感的にひどくよくわかる句で、なんのことはない、片方だけなくしたことが何度かあるからです。手袋の右だけとか左だけとか売ればけっこう良い商売になるのではないか、と以前考えたことがあるのですが、子規の句が正しければ≒右ばかり落とす人が多数なら右の需要が多いわけで左は余剰気味になり、手袋という性質上左だけ安くしても売れないのは目に見えてますからビジネスにはならないかもしれないことに気がつきましたって、くだらない話はともかく。
東京もNHKの天気予報の言葉を借りれば真冬並みの寒さ(いま真冬じゃないのかなというのは置いておくとして)になってて、通勤時退勤時はマフラーと手袋が必須です。でもってさきほど、住んでいるところのドアの前で右手袋を外して右手でカギを開けドアを開け、ドアを閉めたら右手袋ががない。あわてて閉めたドアを開けたらドアの外に右手袋、落ちてました。
冬がはじまったばかりでこのザマなんすが、春になるまで「左ばかりになりにける」にならないよう気をつけます。
[追記]
真冬について念のため書いておくと、私が住んでいる東京の多摩は雪がそれほど降りません。しかし北もしくは北西から冷たい風がわりと吹きます。日本海の北西の風が上信越の山地を越えて吹く風の成れの果てです。最低気温をマークするのは1月ですが、だいたい12月から2月の3か月間はその北西からの風のおかげで真冬感が続きます。通勤に使うJRが高架化してからこちら、その風が通り抜けるホームで電車を待つことが多いので朝はことさら真冬感が増します(北国からみたら噴飯ものかもしれませんが)。多摩地区の場合、防風のために周囲に木を植えてある・もとからある木をそのまま残してあることが多く、多摩には江戸東京たてもの園という古い建築物展示施設があるのですが、

やはり雑木林の中にあります。
余談ですが関東各地で北西から吹く風が観測されるんすけど、「からっ風」とか「ベットウ風」とか「ナライ」とか「ナレ」とか地域によって名称が異なる点がちょっと不思議であったり。