舌の記憶

いまではあまり見かけなくなってしまったけど手のひらサイズの小さな冷凍ピザが剣道少年だった頃にはヨーカドーで売っていて、特段おいしいというわけではないものの秋冬の土曜日にはそれをトースターで温めて食べてから剣道場へ向かってました。剣道少年が成長して何の因果か童貞も処女も失ってしまった頃には宅配のピザというのができていて、相手の部屋でいたすことをいたしたあと(よいこのみんなはわかんなくていいです)小腹がすいたのでピザを頼むことになりました。その時食べたピザも特段マズかったわけではないのですが気になったのがもちもちでない薄い生地のピザで、剣道少年だったころのピザの生地がもちもちだったせいもあり「なんかちがう」感が抜けませんでした。奢ってもらっておいて云えた義理ではないので黙ってたのですが、漠然とした違和感が顔に出てたのか「どうした?」と訊いてきたので「(薄い)こういうのをはじめて食べた」ことを云うとその薄いのはクリスピータイプと云うことを教えてもらった記憶があります。そのとき、ピザっていくつも種類があることを知りました。大げさかもしれませんが小さいころの舌の記憶というのは恐ろしいものでいまでもクリスピータイプの薄いピザは「なんかちがう」感があります。はてな今週のお題が「#ピザが食べたい」なんすが、どうせならもちもちのが良いです。クリスピーでなければパン屋で売っているピザでも可なのですが、できれば冷たくないほうが良いかなあ。これもたぶん、小さいころのトースターで温めていたものばかり食べてたせいです。書いててなんだかめんどくさいやつなんだな、と自覚したんすけど、なんだろ、冷めてしまったピザほど悲しいものはないような気が、って、そんなことないか。