2日ほど京都にいました。

伏見稲荷に行く前に同行者の知り合いとお茶していたのですが、伏見稲荷に行くことを告げると「混んでますよ」と忠告を受けてて

京都在住のその人の忠告は正しくて、京阪の伏見稲荷駅から参道へ向かう道からして半端なく混んでいました。相当な人出です。2年前の正月に来ていてある程度は覚悟していたものの2年前より確実に人出は多くなってて、ちょっと予想外。

京阪電車桃山御陵前へ。以前、(今はのめないけど)呑んだことがある「ふり袖」の蔵元・北川本家へ、っていうあんまり上品ではない動機を兼ねて散策です。ただ歩いてる途中でにわか雨がけっこう降ってきて、

黄桜のギャラリーで雨宿りをしてました。考えさせられたのは海外から訪問客がいて、しかし日本酒の「甘口」のニュアンスがいまいち通じてなさそうなのです。コクがあることを「フルボディ」とか辛口のことを「シャープ」とか「ドライ」っていいかえることができますが、「スイーツ」っていうとニュアンスが微妙に異なるわけで、日本人の甘さに関する味覚表現ってちょっとおおざっぱというか特殊なのかも、なんて考えちまったのですが。

肝心かなめの北川本家は(想像はしていたのですが)残念ながらお休みで、そのかわりってわけではないですが、別の酒蔵(松本酒造・桃の滴)の煙突の向こうに、虹が。

翌朝は上賀茂神社へ。ちゃんとした名前は賀茂別雷神社です。

拝殿の前に三角錐状のものが二つおいてあって砂でできてて、神様が降臨するためのよりしろ、ということになっています。一瞬「乳房?」とおもったものの、そんなことないか。

一部工事中なのですけど、卯杖ってのが置かれていました。ちょうど初卯(その年になってはじめての十二支の卯の日)の神事があって、卯杖ってのがありました。もじゃもじゃってしてるのは日蔭かずらっていう植物です。魔除けの意味合いがあるらしかったり。その神事の真っ最中に偶然居合わせたようで(写真は控えた)、日蔭かずらを三方に載せてしずしずと運んでいるのも目撃したので、日蔭かずらにはなにかしら神聖な意味合いを持つものなのだろうな、ってことだけは理解しました。境内の掲示を読む限り、初卯神事は平安時代あたりから上賀茂だけに残ってる風習で、数百年前も同じことをしていた・数百年先もおそらく同じことをしていることになります。月並みな言葉なんすがちょっと脳内がマヒしました。うまくことばがでてこないんすけども。

不思議なのは神社はたいてい小高いところにあるはずなんすけど境内を横切るように小川が流れていて

さらに上賀茂のまちなかへ流れて行っています。大雨のときはどうなるのだろう、という素朴な疑問があるのですがそれは横に置いておくとして、水の流れがあるというのはなんだか良い雰囲気だよなあ、と思えました。

上賀茂の名産のすぐき漬け(カブの一種の漬物なんすが独特の地の乳酸菌の作用で上賀茂周辺でしか作られてないし作れないといわれているもの)の樽も境内に置かれていました。どこもてこの原理を利用してるのは理解できるのですが、製造元によって重石のかけ方が微妙に違うのがあたりまえといえばあたりまえですが興味深かったです。

北山に府立植物園があってそこを目指していたものの行った日が残念ながら休園日で時間を持て余し気味となり、次善の策として若冲の展示をやっていた京博へ行きました。北から東南への大移動です。果蔬涅槃図や百犬図などつい見入っちまったのですが、いちばん印象に残ったのは河豚と蟇蛙が相撲を取る絵です。そこに描かれてるのは人じゃないのだけど人をみちまってるのかもしれません。ラッキーなことに人も少なく、ゆっくり見学できました。

市バスで祇園へ行き、八坂社に寄ろうってことになって八坂社に寄ったのですがここでちょっと待ってろってちょっと待たされたあと渡されたのが病気平癒のカード式のお守りです。
スマホのケースに入れとけ」
といわれてもお守りの類をいっさい持たないので「おれそんなに重病人じゃないし」と抗弁したものの
「いいからともかく入れとけよ」
という問答のあとに、お守りをこちらも買って交換することでケリがつきました。心配させちゃってるんだなあと、ちょっと反省したのですけど。