正味2日ほど京都旅行に出ていました。

新幹線から見える五重塔があるのが東寺です。近いように見えますが・歩けない距離ではないものの京都駅から近鉄電車で一駅くらい離れてます。弘法大師ゆかりの寺で、真言宗の寺です。

参詣したあとに寄ったのが境内でやっているがらくた市です。よく言えば骨董市ですが実質はほんとがらくたばかりの市が立ちます。陶器や古書、浮世絵っぽい絵画や掛け軸、どこから持ってきたのかわからない仏像、動くかどうかわからないけど直せば動きそうな置き時計までは理解できたのですが、中学校の制服のボタンだけ、ってのも売っていました(このボタンはなににつかうのかまったく見当がつかなかった)。印象としては陶器・小皿の店が多く、日本酒をそれほど日常的に呑まないのに猪口をみてあああれいいなあ買おうかどうしようか、などと迷ってたのですが割らずに持って帰るのが難しいので諦めました。みてるだけでも面白かったです。でも迷惑な客かもしれません。

東寺から京都駅まで戻って伏見稲荷へ。さすがにかなりの人出。

2日連続でけっこう降雪がありそれがけっこう残っていました。この日はほかに国立博物館を見学。

翌日は蹴上まで行き、インクラインの下の「ねじりまんぼ」から南禅寺

南禅寺も若干雪が残っていて、苔と雪とさし込んだ陽光がとてもきれいでした。でもって南禅寺というと石川五右衛門がそこから見える景色を「絶景かな」と評した三門が有名ですが

(水が流れる)水路閣ってのがあり

同じ形のものが連続する水路閣の脚の部分の眺めが好きなのと

水路閣のアーチの曲線が良いなあと感じてて、つい意味もなく足を止めちまいます。力学的にいちばん最適なカーブのはずなのですが、それを良いなあと思えるからちょっと不思議です。

水路閣を流れる水は琵琶湖疏水の分水で哲学の道(という不思議な名前の道がある)・銀閣寺方向へ流れます。

その分水からさらに分かれた流れが南禅寺の北を通過します。至極あたりまえのことですが水は高きから低きへ流れますから、そこそこの勾配のところをけっこうな勢いで下ってゆきます。南禅寺はかつて広大な敷地を持っていたのですが維新後に召上げられちまい、広大な元敷地は工業地域に転換しようという壮大な計画なあったのですがぽしゃってしまい、別荘地となります。

たとえば水路の左右はもともとは野村家の別荘だったところ。左は野村美術館になっています。野村美術館は閉館中で、野村家の別荘だったところは非公開で中は覗けません。

野村家の脇を通っていた水路から水を引いているかはわからぬものの、疏水の水の分水をうけているのが無鄰菴(むりんあん)です。山縣有朋の別荘であったところです。ここは市が寄付を受けて管理してるので誰でも入れます。

雪景色の庭園ってどんな感じかな、ということで入ったのですが、雪がないほうが良い、というのをなんかこう思い知った気がしました。

かわりに気温が高くなり屋根の雪が溶け、しずくが落ちそうで落ちない、微妙な瞬間を激写(したつもり)。

お昼前になって京大北門前の進々堂というコーヒー店へ。名前だけは前から知っていたのですが入ったのははじめてで、ひとりだったら来なかったかも。店内はどっしりとしたナラ材かなにかの椅子と机があり、ガラス一枚隔てて外とはまったく違う時間の流れがあるような、けっして明るくはないものの暗くもない不思議な空間でした。コーヒーもパンも美味かったのですが、それほど値段も高くはありません。なんかこうありがたく素直にごちそうさまでした、といえるお店でした。

疲労が抜けなくて西へ行くことも躊躇していたのですが、いったん東京を離れちまえばあんがい身体は動くし休まるもので、リフレッシュして東京に戻りました。