十代の頃には若干不思議な教育を受けていて、楽譜集というかコールユーブンゲンというのを渡されていました。ソルフェージュといって楽譜を読んで理解して、可能ならばその音が出せるように・歌えるように、ってのを訓練としてやっていたのです。でもって十代の頃にやった合奏のひとつがロッシーニのタンクレディというオペラの序曲で、しんどかったけどそれなりに楽しかったのでちゃんとやっていました。しかしその手の訓練をしていてもなぜか音楽の道など芸術畑には進まず、ゲイっぽくなってますがって、それはともかくいまでもタンクレディの序曲はびっちり入ってて、そらで歌えます。
関係あるかどうかはわからないけどなにかのきっかけで脳内でメロディが鳴ることがあります。しんどいことがあってもタンクレディの曲を脳内で追っかければ、その前のしんどさを忘れることができるんすから音楽は麻薬です(すくなくとも私にとっては)。タンクレディに限らずくりかえし聴いていた曲も似たようなもので、日曜の夜にNHKで以前よく聴いていた「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」をやっていたせいか、脳内でなにかスイッチが入ってしまったらしく、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯が脳内で流れはじめて朝の通勤途上はなんとなく上の空でした。優雅といえば優雅ですか、気が重いのが一時期消えていたので、やはり音楽は麻薬だよなあ、と。