9時ちょっと前に帰宅して天気予報をチェックしようとテレビを付けたら偶然神田のやぶそばの火事の映像が流れてて動きが止まりました。

江戸時代はそば屋で酒を出していました。そばの材料を使って海苔やかまぼこををアテにしてたのです。でもって神田のやぶそばも、その江戸から続くそば屋の伝統を引き継いでて、酒は菊正宗ですが、お品書きのなかにかきあげや焼海苔とかかまぼこはもちろん、かもぬきといってそばをぬいた汁の中に鴨肉が浮かんでるようなのがありました。そばも美味しいです。せいろが一枚700円くらい(どちらかというと安くはないです)。だれかがせいろを頼むと「せいろぉぉいちまぁぁい」の声が店内に響きます。ビルの谷間にありながら建物に風情があって悪くなかったのですが店内の雰囲気がたまらなく好きでした。
品が良いというと語弊があるのですが、この店に流れる空気というのがありまして、来てる客は騒いだりしませんし、店側も金持ちでも貧乏学生でも分け隔てなく同じように扱いますし、そばを深くは知らない客にも丁寧に教えてくれる貴重な店でした。なんていえばいいのかな、お金を出せば鴨とネギをあてに菊正宗をのみ、そばをすすることができるんだけど、神田やぶそばの雰囲気が「おまえはまだはやい」的なオーラがあるというか、粋なオトナのための空間みたいなところがあって、そこらへんが好きだったかも。しょっちゅうはいけませんが社会人になってからはお世話になってて、焼けたと思うとショックです。


いつかまた営業を再開したら、喰いに行くつもりです。たかがそば、なんすけど、ちょっとそれだけでは割り切れないものがあったりします。