アテのこと2

最初に暗い話をします。母は乳がんで死んでいるのですが、母方の祖母は胃がんで死んでいます。死んだ母の姉の一人が病死する前後、母方の祖母は日本酒をコップに注ぎ台所でよくあおっていたらしく、それががんの遠い要因のひとつではないかと母はよく口にしていました。医学的根拠はまったくわからぬもののそのことをずっと聞いて育ったので母の前では酒は呑みませんでしたし、母方だけでなく父方もがんの家系で念のため酒をコップに注いであおるようなこと・アテなしに酒を呑むことははなるべく避けてます。目の前にアテを用意しとけば酒ばかり飲まないだろうと考え(それじゃタカがしれてるけど)カントリーマーム1枚やたくあん1枚でもいいので口にしています。(もちろん乾きもので済ますこともありますが)可能なら酒のアテに関して湯気の出るものを作って試行錯誤してるのは何割かは酒ばかり呑むことによるうっすらとしたがんの恐怖の裏返しです。だったら酒をやめればいいのですが、音楽と恋と酒がなかったら人生つまらなくなりませんかね、って話がズレた。

アテの話を続けます。

火をつかいますがよくやるのが(以前から読んでくださってる人からすればお馴染みの)カリーヴルストです。ホットドッグに使うような長めのソーセージを用意して(小さなソーセージをぶつ切りにしてもオッケイですが)フライパンにいれて油を敷かずに水を50㏄ほど入れ加熱します。別途ケチャップとカレー粉にオイスターソース(この比率はほんとお好みで)を混ぜたものを用意しておき、火が通ったソーセージを皿に移したあと、ケチャップとカレー粉とオイスターソースを混ぜたものをかけるだけです。即できますし、簡単ですし、酒のアテじゃなくてももう一品というときにも便利です。オイスターソースじゃなくてオレンジジュースでも良いです。ベルリンの名物料理なのですが、残念ながらベルリンに行ったことは無いので本場のレシピは残念ながら知りません。でもオイスターソースを加えてもオレンジジュースを加えてもどっちもけっこうイケます。特にビールにはあいます。

火をつかうのがめんどくさいとき、やるのがたくあんのチーズかけです。たくあんを角切りにして皿に放り込み、そこにとろけるスライスチーズをかぶせて電子レンジでチーズが溶けるまで30秒くらい加熱してください。わたしはパプリカを掛けるのですが、なくても大丈夫です。たくあんは不思議なもので加熱すると旨味がでてきます。量は加減できますからひとりで酒のむときなどにはもってこいです。

そんなしちめんどくせーことしてらんねーよ、という場合、中濃ソースとポッカレモンとマスタードの出番です。以前毎日新聞でやっていた西原理恵子さんと枝元ほなみさんの連載の受け売りなのですが、中濃ソースにレモン汁を加えてマスタードを混ぜ、それを惣菜のコロッケや冷凍のチキンナゲットを加熱したものに添えると大人の味のアテになります。

他にもネギのぬたとか小ジャガイモのみそ炒めとかアテになりそうなもののレパートリーは無駄に増やしてしまっていますが、アテを考えることでその日抱えていた業務に関するあれこれをいったんストップできるので、なんだろ、それほど後悔はしていません。