ケチ

ずいぶん前の親戚の葬儀の席でのこと。金銭出納を任されたことがあって親しい従兄弟に来客用のペットボトルのお茶やちょっとした菓子をまとめて買ってもらったあと、その直後にそのやりとりをながめていたらしい別の親戚が、〇〇ちゃん(わたしのこと)のところに領収書を持っていけばお菓子やジュース代を払ってくれる、と自分のところの子に云ったそうでファミマの領収書を持ってきたことがありました。咄嗟になにを云ってるのかわからず「え?」と訊き返したのだけど、個人で消費するジュースやお菓子が葬儀と関係ありますか、という一点においてもちろんそんなことは許しませんでした。結果的に恥をかかされた親戚にいくらか恨まれたのですがどこで恨みを買うかわかりません、ってそれはともかく、この場合、私がケチなのか領収書を持ってきた親戚がケチなのかわからなくて、でも世の中にはこちらが想像できないケチがいる、ということは強烈に印象に残りました。
死んだ父から「貰い酒に慣れると品性がいやしくなるからするなよ」という不思議な忠告を「屋台で生ものを喰うなよ」というのと一緒にうけてて、拡大解釈してなるべく他人の財布をアテにしない・ケチな真似はしない生き方を貫いてきました。でもって再逮捕されたコストカッターとよばれた人物が外出時にのどが渇いて部下に買わせた水を会社持ちにしていた、というのを毎日新聞で読んで(それが部下の分を含めてならわからないでもないのだけど)、それくらい自分で出せばいいのにと思いつつ不思議とその吝嗇ぶりがなんだか笑えてきてしまい、身銭を切らない人は徹底的に身銭を切らないのだなあ・ケチというのはほんと想像以上にケチなんだなあ、という文字にすれば至極あたりまえの感想を持ったのですけど。
もっともnanacoを持っているので8の付く日にヨーカドーで5パーセント引きになるのを狙ってケチャップだとか砂糖だとかの調味料を買うので、ケチといえば私もどちらかというとケチなほうで目糞鼻糞を笑うでもあるのですが。