重力波のお勉強

14日が「三鷹星と宇宙の日」ということで天文台を公開してて、天文に興味があって行っていました。
重力波についてややこしいことを書きます。興味のない方はすっ飛ばしてください。
アインシュタインが言いだしっぺの、質量のある物体の周りは時空をふくめてゆがめられてるんじゃないの、という考えがあって(それが我々には重力と感じられるのですが)、ゆえに太陽の光が太陽の引力によって変化があるはずでわずかにスペクトルがずれるとのではないかということ(小難しい言葉をつかうと重力赤方偏移というんすが)を検証しようと戦前の日本人天文学者は考えました。それを検証するために

三鷹天文台アインシュタイン塔というのを作りました。ただし残念ながら実証できませんでした。
で、太陽に限らず質量のある物体の周りに時空のゆがみがあってそれを人には重力として感じられて、時空をゆがめてる物体が動きまわるとゆがみが波のように四方八方に伝播してゆく、という現象は「あるはず」といわれつつもだれも音もその姿を見たことがないすかしっ屁のような存在だったのですが、一昨年米国の研究者が太陽の30倍前後の質量の2つのブラックホールが合体したときの重力波を観測し、あることが実証されました。でもってもし重力波を恒常的に観測できるようになれば光学望遠鏡や電波望遠鏡、赤外線望遠鏡以外に天体観測するためのアイテムを得ることになります。というか初の重力波の観測のときの太陽の30倍程度のブラックホール連星があることはいままで証明されてこなかったですし、ブラックホールの研究もすすむかもなんすが。
重力波が通過すると時空がゆがみ、物と物の間の距離が変化するはずで、その変化を検出するのが重力波検出器です。

国立天文台の地下にはそのプロトタイプのTAMA300というのがあって、それを見学してきました。
レーザー光源から光をだしてビームスプリッターという半透明の鏡で直行する2つの方向に分けて

長さの違う2つの真空のパイプの中を通過して(写真はそのうちの長いほう)この先の鏡に反射させさらにビームスプリッターに戻して光検出器へ送って(分割したのち再合成したので干渉現象がおきその結果)現れる縞をつかって観測するのですが、もし重力波を観測した場合にはその縞が変化する(であろう)、という仕組みです。

配置が一緒の模型なんすけど、白い紙が光検知器だとおもってください。アバウトに考えて通常の状態であれば赤い〇なんすけど仮に模型に振動を加えると〇がちょっと崩れます。なんだろ、説明がヘタで恐縮ですが、ともかく壮大な検知システムが埋まってると思ってください
ただ重力波のゆがみは極小である(と考えられていた)ので、おもいっきりかすかな振動をキャッチするために精度をあげ、また振動を抑える研究がなされてきています。TAMA300のある国立天文台三鷹市という東京の内陸部にあるのですが、25キロ以上離れてるはずの海があれるとその振動を拾っちまうそうで、それくらいの精度です。TAMA300の研究成果が反映されているKAGRAは飛騨の神岡鉱山の地中奥深くなので海の振動を拾わない場所なのでそこらへんはダイジョウブです、とのことでした。

頭では理解していたのですがいざ実際機器を前にすると意味もなくわくわくしちまいました。インスタ映えしないんですよねー、とおっしゃってたのですが、インスタグラムをやってないので代わりにダイアリにアップしました。