計算機による宇宙

月がどういうふうにできたかというのは謎です。いまのところ火星クラスの天体が地球にぶつかってできた円盤状のものから形成された説が有力視されていました。しかし月から持ってきた岩石と地球の岩石と類似しているかというと必ずしもそんなことはなく水分などを説明がつきにくいところがありました。そこから高速で回転する楕円形の地球に別の天体がぶつかって月ができたという仮説と地球の半分程度の天体2個が衝突した結果出来上がったのではないかという仮説があります。

国立天文台には重力のみで相互作用する多数の粒子の運動を計算する計算機とスパコンがあり、あとから出てきた仮説2つを天文台の計算機でシミュレーションした結果では現在の月や地球の特質を再現できない、ということで否定的になっているのだそうで。もちろん火星クラスの天体がぶつかった説でも説明できないところがあるので謎のままです。でもパズルのあわないピースは外れたわけで進歩かもしれません。月面の岩石や月の内部などの研究がもうちょっとすすめばまた違ってくるかも…、というお話を聴けたんすけど、あらためて実物だけでなく計算の分野も重要なんだなあ、ということを知りました。知らない世界を知るのはやはり面白いです。