会社というのはどこでもたいていは資金の出入りがあれば帳簿をつけてます。株式や債券を売買してどれだけ利益が出たかや損失を計上したかも記録します。帳簿というのは現金出納や取引の記録なわけですが、それによって現金の有り高や財政状況がわかります。ただし、きちんとつけてれば、の話です。その帳簿をもとに計算書類を作って銀行にだしたりします。計算書類を見て、銀行はこの会社はダイジョウブそうだ、と融資を判断することもあるからです。重要な書類です。
で、会社というのは弱い生き物で、良いほうに見せたがります。ちょっと処理しにくい損失があったとき、それを隠そうとします。隠すためにかつてよくやらてた手口は決算を前に含み損をかかえたある資産を他社に数か月先に買い戻すことを前提にこっそり売り決算期が過ぎてから買いもどす、ということをしたことがありました。これなら少なくともその年の決算は乗り切れます。ただこの時点で、帳簿は会社の正確な状態をあらわしてはいません。でもって悲劇は次の年にきます。業績が好調で、買い戻した資産の含み損を穴埋めするだけのお金があれば良いですが、そうでない時はまた損失をどこかになんとか紛れ込ませなければなりません。意地でもかくさなきゃなのです。あることをないことにする、というのは実はすごい大変なことで、たいてい途中でバレます(この手口を続けた証券会社もばれてます)。なんでそんなことをするの?といえば、たぶん損というのはなぜか「みっともない」意識があって、表にしたくないからでしょう。この「みっともない」はさらにとんでもない事態を招くので、ほんとはおっかないです。


もっともニュースになってるオリンパスがどんな手口であったかはわかりませんが。
いまでこそキャノンのカメラを使ってますが、オリンパスは私が最初に手にしたカメラのメーカーで、よくないニュースでにぎわうってのはちょっと悲しかったり。